ニューヨークで写真家として活躍するロニートのもとに父の死の知らせが届く。父は厳格なユダヤ教のラビで、信仰を捨て故郷を飛び出したロニートは、父から親子の縁を切られていた。久々にイギリスのユダヤ・コミュニティへ戻ってきたロニートだったが、故郷の人々から冷たい視線で迎えられる。そんな中、幼なじみのエスティと再会したロニートだったが…。

裕福な家庭に生まれ育ち、何不自由ない生活を送ってきたレイ(水原希子)はある日、高校時代に思いを寄せていた七恵(さとうほなみ)から連絡を受け、10年ぶりの再会を果たす。しかし喜びも束の間、夫からのDVで全身あざだらけな姿を目の当たりにし愕然とする。追い詰められ死を口にする七恵に「それならば夫が消えるべきだ」と諭すレイ。そして「だったら殺してくれる?」と呟く七恵。彼女が生きるためにレイは、七恵の夫を殺す。そして行くあても、戻る場所もないふたりは共に逃避行に出る......。

ナチス・ドイツの占領下にあった、1943年のパリ。画学生のフランソワーズ・ジローは、38歳も年上のパヴロ・ピカソと電撃的な出会いを果たして強く惹かれ合うように。しかし、ふたりの愛人がいるうえに、エキセントリックな性格である彼に振り回されていく。

フランス、パリで株式仲買人としての仕事を始めたゴーギャンは、趣味で絵を描くようになった。だが1882年、パリの株式市場が大暴落し、それまでの裕福な生活は一変する。それを契機に絵画を本業とすることを考えるようになったゴーギャンだが、生活は困窮。最愛の妻と子供たちと別れてしまう。その後、わずかな資金を手にタヒチを訪れた彼は、その土地に魅了されてしまう。やがて現地の美しい娘であり、のちにゴーギャンタのタヒチでの絵のモデルとなったテフラという娘と結婚するが、すぐに彼の資金は底をつき、彼女と楽園のような生活も貧窮を極めることに。やがてテフラの感情も、彼のもとを離れていってしまうのだった…。

泉谷いちこ、18歳。語学学校にCDショップのバイトにと、若者生活謳歌中。ママの亡き後男手一つで育ててくれた翻訳家のパパと、二人暮らしの毎日。そんないちこが恋をした。とてもステキで聡明で、いろんな世界を教えてくれる人。その名は城島エリー。そう、女なのだ。エリーを恋人だと紹介すると、パパは驚きつつも2 人の関係を理解してくれる。さすがパパ!心が広い。前衛文学を訳しているだけのことあるじゃない。その代わり、ある告白がいちこを待っていた。