凶悪犯の張り込みの最中に親友で同僚の堀部の好意に甘え、数カ月前に幼い子供を亡くし失意のまま体調を崩していた妻・美幸を病院に見舞った西は、そこで妻が不治の病で助からないことを聞かされる。ショックを受ける西。だがそんな彼に、更に堀部が犯人の凶弾に倒れたとの連絡が入った。その後、犯人は別の場所で発見されるも、逮捕へのあせりから西は失態を演じ、後輩の田中が命を落としてしまう。罪悪感にさいなまれ、職を辞す西。彼は、下半身不随となり車椅子の生活を送る堀部に画材道具を贈る為、また田中の妻や余命幾ばくもない美幸との生活資金を工面する為、ヤクザから借金を重ねるようになる。しかし、その返済に首が回らなくなり、思い余って銀行強盗を決行。盗んだ金を堀部や田中の妻に送り、ヤクザに借金を返済すると、残った金を持って美幸と共に旅に出るのだった。だが、そんな西をヤクザたちは利子が足りないと言って執拗に追いかけてきた。妻との残り少ない時間を誰にも邪魔されたくない。西は、追ってきたヤクザたちを次々に殺害していく。やがて、後輩の刑事の中村が西の身を案じて駆けつけてきた。しかし、西は彼にもう少し時間をくれと頼む。静かな砂浜、妻をそっと抱き寄せた西は、自ら自分たちの人生に幕を引く。

幼なじみのフリオとテノッチは17歳の高校生。溢れるエネルギーを持て余し気味の二人が考えることといえばセックスのことばかり。ところが、肝心のガールフレンドたちは旅行に出かけてしまい、せっかくの夏を何をするでもなく過ごしていた。そんなある日、親戚の結婚式で二人は年上の女性ルイサと知り合う。彼女をドライブに誘うためダメもとで“天国の口”という在りもしないビーチの名を口にする二人。ところが、数日後、夫の浮気を知ったルイサはテノッチに一緒にドライブ旅行に行くと告げる。慌てる二人だったが、チャンスとばかりルイサを連れアテのない旅に出るのだった……。

1950年ロンドン。家族を何よりも大切に、毎日を精一杯生きる主婦のヴェラ・ドレイクには、誰にも打ち明けたことのない秘密があった……。深い家族愛を円熟の演技で描いた珠玉の一篇。

ルイス・ブニュエルが『アンダルシアの犬』に続き、サルバドール・ダリと組んだ前衛映画の大古典! ネズミを襲うサソリ、ならず者たちの会合、海辺の岩場でミサ、骸骨、狂人、犬、カブトムシ、鏡の中の雲、居間に牛、客間に馬車、マグマとトイレ、女の涙、トイレット・ペーパーが海藻・・・禍々しい映像の連続にスクリーンに爆弾が投げつけられる事件が発生! 以後50年間上映禁止・封印された、曰くつきの超問題作!

現実感の希薄な社会に嫌気が差し、未知のスリルを求めてタイのバンコクにやって来た米国人青年リチャード。安ホテルに泊まった彼はダフィという男性から《ビーチ》の伝説を聞き、その場所を記した地図を受け取る。翌日、自殺したダフィを発見した彼は、地図が本物だと確信し、フランス人カップル、エチエンヌとフランソワーズを仲間にして《ビーチ》を目指す。数々の危機を潜り抜け、彼らは孤島の奥に《ビーチ》を発見する。

警察の爆弾処理班に所属する夫と4歳の息子と共に、ロンドンで平凡に暮らす若い母親。ある日、新聞記者のジャスパーに声を掛けられた彼女は、欲望のままに関係を持ってしまう。その後二人は再び密会するが、その最中に夫と息子が爆破テロ事件に巻き込まれてしまい…。