浪人・柳田格之進(草なぎ剛)は、身に覚えのない罪を着せられ、妻も喪った上、故郷の彦根藩を追われて娘の絹(清原果耶)とふたり、江戸の貧乏長屋暮らしを送っていた。そんな暮らしにもかかわらず、かねてから嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けていた。だがある日、旧知の藩士によって悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進と絹は、復讐を決意。そして絹は、仇討ち決行のため、自らが犠牲になる道を選び……。父と娘の誇りをかけた闘いが始まる!
享保15年。藩の不正を訴え出たために藩を追われた瓜生新兵衛。追放後も連れ添い続け、病に倒れた妻・篠は、死の床で最期の願いを新兵衛に託す。それは、新兵衛のかつての友にしてライバルであり、藩追放に関しても大きな因縁を持つ人物・榊原采女を助けてほしいというものだった。妻の願いをかなえるため故郷へ戻った新兵衛は、やがてある確証を得て采女と対峙する。過去の不正事件の真相や妻の本当の思いを知る新兵衛だったが、その裏では大きな力が彼を襲おうとしていた。<名カメラマンの木村大作が、「劔岳」「春を背負って」に続く映画監督第3作として手がけた時代劇。原作は葉室麟の同名小説>
元禄14年、江戸城内での刃傷沙汰により、赤穂藩主・浅野内匠頭は即日切腹で、赤穂藩は取りつぶし、一方、吉良上野介はおとがめなしとなる。この理不尽な裁断の裏には、幕府の体制を維持しようとする、時の権力者・柳沢吉保と、吉良の嫡男を藩主とする上杉家米沢藩の江戸家老・色部又四郎の采配が働いていた。赤穂藩家老の大石内蔵助は、ただちに軍資金を確保すると、赤穂浪士の同志たちとともに吉良邸討ち入りの機会をうかがう。
三村新之丞は東北の小藩に仕える三十石の下級武士。剣術の覚えもあり、藩校でも秀才と言われながら、現在の勤めは毒味役。張り合いのない役目に不満を持ちながらも、美しく気立てのいい妻・加代とつましくも笑いの絶えない平和な日々を送っていた。ところが、そんな平穏な生活が一変してしまう。貝の毒にあたった新之丞が、一命は取り留めたものの失明してしまったのだ。絶望し、自ら命を絶とうとする新之丞を、加代は懸命に思い留まらせるのだった。しかし、武士としての勤めを果たせなくなった以上、藩の沙汰次第では生きていくことも叶わない。そこで加代は、嫁入り前からの顔見知りだった上級武士の島田藤弥に相談を持ちかけるのだったが…。
天正19年。かつては織田信長に茶頭として仕え、彼亡き後は豊臣秀吉の庇護の下、茶の湯を芸術の域にまで高めて“茶聖”とまでうたわれた千利休が、秀吉によって切腹を命じられ、人生最後の日を迎えようとしていた。妻の宗恩から、自分のほかにずっと想う人がいたのではないかと問われ、利休の脳裏にかつての遠い記憶がよみがえる。それは、若き日の彼が出会った、高麗出身の美しい女性との秘められたはかない恋の思い出だった。
幼くして豊臣秀吉に才を認められた石田三成。やがて大名に取り立てられた三成は、自分の石高の半分を持って、猛将として名を馳せた牢人の左近を家来に請う。秀吉に忠誠を誓いながらも利害によって天下を治めることに疑問を抱き、正義で世の中を変えようとする三成の姿に興味を持った左近は二つ返事で配下に入る。一方、秀吉の体調がおもわしくない中、天下取りの野望を描く家康は秀吉恩顧の武将たちに言葉巧みに取り入っていく。
徳川5代将軍・綱吉の泰平の御代、赤穂浪士たちが吉良上野介を仇討ちするかどうかに関心が集まっていた元禄15年。父親の仇討ちのため、郷里を後にした若侍、青木宗左衛門の江戸暮らしも半年を過ぎ、庶民の町での生活もすっかり板についていた。いつしか自宅の向かいに住む夫を亡くした女性、おさえに恋心を抱くようになった彼だが、実は武士とは名ばかり。剣の腕前がからっきしだめなことが長屋の面々にも知れ渡ってしまう。
シリーズの第17作で、後に「ブラインド・フューリー」としてアメリカでリメイクされた。座頭市は、旅先で出会った瀕死の女性からその幼い息子を彼女の夫の庄吉に届けるよう頼まれる。彼女の死後、市は少年と目的地へ。途中、謎の男、赤塚多十郎と出会うが、その素性は公儀隠密だった。悪代官やヤクザに監禁された庄吉を救うべく、立ち上がる市だったが、友情で結ばれかけた赤塚と、ある事情から一対一の対決に迫られることに...。
アニメ映画「BLACKFOX」の連動企画で実写版として製作された特撮アクション時代劇。アニメ版の主人公の石動律花の先祖の江戸時代の女性忍者の活躍を描く「エピソードゼロ」。
彦根藩の下級武士、志村は剣の腕を見込まれ、主君・井伊直弼の警護を務める近習役に取り立てられた。部下たちにも心のこもった言葉を掛ける井伊の人間性に魅了された志村は命を懸けて井伊を守ろうと心に決める。安政7年(1860年)3月3日、季節外れの雪の中、江戸城桜田門に向かう井伊家の行列を18名の暗殺者が襲う。井伊が命を奪われたことの責任を問われた志村は、藩から逃亡した水戸浪士の首を取るよう命令される。