1981年、アイルランドの田舎町。 大家族の中でひとり静かに暮らす9歳の少女コットは、赤ちゃんが生まれるまでの夏休みを遠い親戚夫婦のキンセラ家のもとで過ごすことに。寡黙なコットを優しく迎え入れるアイリンに髪を梳かしてもらったり、口下手で不器用ながら妻・アイリンを気遣うショーンと子牛の世話を手伝ったり、2人の温かな愛情をたっぷりと受け、一つひとつの生活を丁寧に過ごしていくうち、はじめは戸惑っていたコットの心境にも変化が訪れる。緑豊かな農場での暮らしに、今まで経験したことのなかった生きる喜びに包まれ、自分の居場所を見出すコット。いつしか本当の家族のようにかけがえのない時間を3人で重ねていく―。

1964年、アイルランド、ダブリン。マグダレン修道院に、時を同じくして3人の少女が収容される。孤児バーナデットはその美しさで周囲の少年たちの目を惹きつけてしまうことが、マーガレットは従兄弟にレイプされたことが、そしてローズは未婚のまま赤ん坊を産んだことがそれぞれ“罪”とされたのだった。彼女たちは、修道院を管理する修道女たちに性悪女と決めつけられ、祈りと労働によって神に奉仕し“罪”を悔い改めるよう言われるのだった。しかしそこで彼女たちを待っていたのは、過酷な労働と自由の一切ない刑務所以上に非人間的な環境だった。

英国による長年の支配から独立を求める声が出始めた1920年アイルランド。医者を志すデミアンと兄テディは武器を手に取り独立戦争に出征する。やがて勝利を収め、講和条約を締結させたアイルランド軍だったが、その条約の内容を巡って、今度は国内で争いが起こる……。

アイルランドの首都、ダブリンを舞台に本格的なソウル・バンドを目指す若者たちの姿を描いた音楽群像劇。画面のなかとはいえ、何かに情熱を傾ける若者の姿を見ていると思わず目頭が熱くなる。

ニール・ジョーダン監督による、1970年代ミュージックをちりばめた人間ドラマ。女の子の心を持ったまま生まれたパトリックが、変わり者のレッテルを貼られながらも前向きに成長し、ロンドンで実母を探すストーリーだ。

自分の無力さに絶望したカトリックの神父がワクチン開発の実験台に志願する。その結果、吸血鬼の肉体となってしまった彼は生き血を吸わなければならなくなる。

19世紀、アメリカは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球の事業化を成功させたトーマス・エジソンは天才発明家と崇められ、大統領からの仕事も平気で断る傲慢な男だった。裕福な実業家ジョージ・ウェスティングハウスは、大量の発電機が必要なエジソンの"直流"による送電方式より、遠くまで電気を送れて安価である"交流"による送電方式の方が優れていると考えていた。若手発明家のテスラも、効率的な"交流"の活用を提案するが、エジソンに一蹴されてしまう。 そんな中、ウェスティングハウスは"交流"での実演会を成功させ、話題をさらう。そのニュースにエジソンは激怒、"交流"による送電方式は危険で人を殺すと、ネガティブキャンペーンで世論を誘導していく・・・ こうして世紀の"電流戦争"が幕を開けた!訴訟や駆け引き、裏工作が横行する中、ウェスティングハウスはエジソンと決裂したテスラに近づく──果たしてこのビジネスバトルを制するのはどちらか──!?

アイルランドの小さな農場で、年老いた母親と2人で暮らす温厚な中年男。ある日、母親が何者かに殺害され、血生臭く過激な復讐劇が始まる。