引退したヘアメイクドレッサーが亡き親友に最後のメイクを施すための旅を、実在の人物をモデルに描いたロードムービー。 かつてヘアメイクドレッサーとして活躍した「ミスター・パット」ことパトリック・ピッツェンバーガー。ゲイとして生きてきた彼は、最愛のパートナーであるデビッドを早くにエイズで亡くし、現在は老人ホームでひっそりと暮らしている。そんなパットのもとに、思わぬ依頼が届く。それは元顧客で親友でもあったリタの遺言で、彼女に死化粧を施してほしいというものだった。リタのもとへ向かう旅の中で、すっかり忘れていた仕事への情熱や、わだかまりを残したまま他界したリタへの複雑な感情、そして自身の過去と現在についてなど、様々な思いを巡らせるパットだったが……。

メキシコ、ゲレーロ州海岸地方のある村。三男坊オリヴェリオ(エステバン・マルケス)の結婚式の当日、突然病床の母親(レオノーラ・ゴメス)の容体が悪くなる。欲深い兄達は、息のあるうちに自分たちに都合のよい遺言状を作ろうと必死で、財産の中でも価値の高いメキシコシティの家を狙っている。しかし母親は孫である死んだ娘の子供にその家を譲りたいと思い、一番信頼できるオリヴェリオに法的効力のある遺言状を作って欲しいと頼む。オリヴェリオは代埋人のいる隣町まで、おんぼろバスに乗って出発する。

1週間後に挙式予定のカタブツ弁護士ジェイソン(ザック・エフロン)は、祖母の逝去の知らせを受けて葬儀に参列する。彼は一人残された祖父ディック(ロバート・デ・ニーロ)に半ば引きずられるように、祖父母の思い出の場所フロリダへと旅に出る。ところが、ディックは40年ぶりの独身生活をエンジョイし、朝から酒浸りで葉巻を吹かし、ナンパに明け暮れ……。