愛妻に先立たれ、メキシコ国境付近の町で牧場を営みながら愛犬と暮らす元海兵隊の腕利き狙撃兵、ジム・ハンソン。ある日、メキシコの麻薬カルテルの魔の手を逃れ、越境してきた母子を助けたことから、彼の運命は大きく変わり始める。カルテルに撃たれた母親は、ジムに11歳の息子ミゲルを託して絶命した。ミゲルをシカゴに住む親類のもとに送り届けてほしい――日々の生活に手いっぱいのジムだったが、仕方なくこれを引き受ける。一方、米国に侵入したカルテルは執拗に彼らを追撃。迫りくる危機に、ジムは必死に抵抗する。果たして彼は、ミゲルを守り、シカゴにたどり着くことができるのか? 命を懸けた戦いの火ぶたが、切って落とされた!

メキシコ、ゲレーロ州海岸地方のある村。三男坊オリヴェリオ(エステバン・マルケス)の結婚式の当日、突然病床の母親(レオノーラ・ゴメス)の容体が悪くなる。欲深い兄達は、息のあるうちに自分たちに都合のよい遺言状を作ろうと必死で、財産の中でも価値の高いメキシコシティの家を狙っている。しかし母親は孫である死んだ娘の子供にその家を譲りたいと思い、一番信頼できるオリヴェリオに法的効力のある遺言状を作って欲しいと頼む。オリヴェリオは代埋人のいる隣町まで、おんぼろバスに乗って出発する。