西側諸国とロシアの軋轢を時系列で追い、ウラジーミル・プーチンの素顔に迫る。共産主義が終焉を迎え、周辺国では次々と革命が起き、NATO(北大西洋条約機構)も拡大を止めようとはしない。迫り来る普遍主義を打破するために、プーチンは中国を経済パートナーに選んだ。ベラルーシやカザフスタンとも経済圏を構築。脱欧州化を進める。国内では正教会を支配し、宗教的権威を利用。シリア内戦ではアサド政権を支援し、専制国家どうしの結びつきを強めてきた。自由個人主義が分断と混沌を招いたロシアでは、国家の団結による「強国への復帰」こそが国民の悲願だ。ジャーナリストや学識者、元政治家などの分析や証言を交え、ロシア国民を熱狂させる権威主義者の、指導者としての歴史を追う。