ストリート・アートについてのドキュメンタリーを制作し始めたロサンゼルス在住のフランス人映像作家ティエリー・グエッタ。ティエリーは覆面アーティスト、バンクシーの存在にたどり着き、取材を始めるが、ティエリーに映像の才能がないことに気付いたバンクシーは、逆にティエリーのドキュメンタリーを自分が監督し始める。

スーパーマン、スパイダーマン、バットマン、Xメン・・・。コミックスや映画、フィギュアなどで長年にわたって私たちを楽しませてくれるアメリカン・コミック。19世紀末にコミック・ストリップ(新聞連載のマンガ)としてその歴史をスタートさせたアメリカン・コミックは、1933年頃にコミック・ブック(雑誌形式のマンガ)となって出版される。コミック・ブックの刊行は「スーパーマン」や「バットマン」などのスーパーヒーローを生み出し、子供たちを熱狂させた。60年代後半にはロバート・クラムに代表されるカリフォルニアの作家たちによる、カウンター・カルチャーを反映したアンダーグラウンド・コミックスの波が押し寄せ、大人向けのコミックスも増加。その後、より自由で実験的なインディペンデント・コミックまたはオルタナティヴ・コミックといわれるジャンル、グラフィック・ノヴェルと呼ばれる書き下ろし長編のコミックスなども登場。メイン・ストリームのスーパーヒーローもののコミックスは徐々に売り上げが落ちて停滞するものの、相次ぐハリウッドでの映画化やキャラクターの商品化で世界規模のマーケットが確立されている。またアンダーグラウンド作品もメイン・ストリーム化してより広く知られるようになり、アメリカン・コミックスは今なお進化し続ける。

90年代のアメリカ。社会からはみ出し、ストリートで退屈を持て余していた若者たちが、ニューヨークの一角に手作りの小さなギャラリーをオープンした。彼らが生み出す型にはまらないアートはやがて世界から注目されるようになり、ギャラリーはストリート・カルチャーの聖地となる。ハーモニー・コリン、マイク・ミルズ、トーマス・キャンベルら多くの才能を生んだムーブメントの軌跡をたどり、その魅力に迫ったドキュメンタリー。