船舶の炎上事故を調べていた捜査官クラインは尋問していたヴァーバルから奇妙な話を聞かされる。6週間前に銃器強奪事件の容疑者として集められた5人が、釈放後、協力して宝石強奪を決行。ブツをさばくためにLAの故買屋と接触した5人は、そこで新たなヤマを依頼されるが、宝石と聞かされていた獲物は麻薬で、トラブルから相手を射殺してしまう。そして恐慌状態の彼らの前に、伝説のギャング“カイザー・ソゼ”の右腕と名乗る弁護士が現れたというのだ。
著名なミステリー作家のワイクは、妻の不倫相手で美容師のティンドルを自宅に呼びつけた。不倫の追及を受けるものと思っていたティンドルだったが、ワイクは「浪費家の妻にはほとほと困り果てていた」「私にも素敵な愛人がいる」と切り出し、自宅の金庫に保管している宝石を泥棒に扮して盗んで欲しいと言い出した。宝石には盗難保険がかかっているため、双方に利益があるという言い分であった。あまりにも虫の良い話だったが、金銭的に厳しいティンドルはワイクの筋書きどおりに、珍妙な手順で宝石を盗み始める。
「もっと人生を楽しめ」2人は、そんな決まり文句を実践した。リドリー・スコット監督によるロードムービーでは、2人の友人、専業主婦として退屈な日々を送るテルマ(ジーナ・デイヴィス)と、気の強いウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)が、日常から逃れるために、1966年型のサンダーバードに乗り、山へと週末の釣り旅行に出かける。ところが、憂さ晴らししようと、途中で立ち寄ったバーで、テルマがレイプされそうになる。するとルイーズが38口径で男に発砲。何が何だか分からぬまま、2人は逃亡するはめに。全国指名手配犯となった2人は、決意を新たに、無謀な行動に。グランドキャニオンを背景にしたラストシーンで、絶対的な自由を手にした彼女たちの描写が印象的だ。
1919年。廃墟と化したパリのオペラ座で、かつての栄華をしのばせる品々がオークションにかけられる。時はさかのぼり1870年代。全盛期のオペラ座は大勢の客でにぎわう一方、仮面の怪人“ファントム”の出没で、人々が不安に陥っていた。そんな中、若きコーラスガールのクリスティーヌは、ファントムを自分の“音楽の天使”と信じて敬う。やがて彼女はファントムのおかげでチャンスをつかみ、一躍スターとなる。
「十二人の怒れる男」「狼たちの午後」の名匠シドニー・ルメット監督が、一つの強盗計画を軸に浮かび上がるある家族の深い心の闇を実力派俳優陣の豪華なアンサンブルで描き出すサスペンス・ドラマ。娘の養育費もまともに払えない冴えない男、ハンク。そんな彼に兄のアンディはある強盗計画を持ちかける。狙うのはなんと彼らの両親が営む宝石店。ハンクとは対照的に、会計士として働き、美しい妻ジーナにも恵まれて不自由ない生活を送っているかに見えたアンディにも緊急に金が必要なワケがあった。ためらうハンクだったが、アンディに言葉巧みに説得されてしまう。そして、いよいよ計画実行の日がやってくるが...。
銀行強盗をしたマッコイは、ギャングに渡すはずの金を持って逃走した。彼を追うギャングをかわしながら、マッコイは妻と共にメキシコをめざす。スリリングなチェイスが全編に渡って展開するサム・ペキンパー監督によるアクション・サスペンス。