現職刑事を夫に持つ柿内園子は、食器店で銀のスプーンを万引きしている現場を、OLの志藤光子に目撃されてしまう。事を公にしたくない園子は求めに応じ、光子と関係を持つようになるが、徐々に自ら快楽を求めるようになっていった。夫の剛は自分と体を重ねようとしない園子に疑いを持ち、部下を使って妻を尾行させ、光子の存在を突き止める。園子と光子を問い詰める剛だったが、二人は関係を認めようとしない。だがある日、園子は光子を家に連れ込み、男一人女二人の生活が始まるのだった。
大正時代。芸者の花清は、旦那の横井をめぐって同業の染八と相争っていたが、染八が横井の男児を生み落としたことからライバル対決に決着がつき、横井に捨てられることに。ある日、染八の家に乗り込んだ花清が赤ん坊を奪って逃げ出したところへ関東大震災が発生。そして時は流れて昭和10年代。花清は、今の旦那・小宮山のおかげで置屋の女将の座に収まり、染八から奪った子・正太郎をわが子として育てながら幸せに暮らしていた。