元劇作家で世捨て人のような暮らしをしている高介は港で不思議な女・汐里と出会う。家に泊めてほしいという彼女の願いを一度は退けるが、後日、行きつけのカフェでウェイトレスとして働く彼女と再会する。そんな2人の前に、かつての劇団仲間で高介の女だった演出家の響子が現れ、汐里に芝居に参加しないかと持ちかける。

売れない小説家・秋夫は平凡ながらも小さな家庭を築き、幸せな夫婦生活を送っていた。ある日、執筆活動が行き詰まっていた秋夫のもとに1人の少女が現れる。少女は「ナツ」と言い、義母が父と再婚する際に連れてきた義理の妹で、実家には帰りたくないらしい。