悩みを抱えた29歳の高校教師が、演劇大会に参加する3人の生徒の引率を任され、その中の一人で行動障害を抱えた生徒に振り回されながら過ごす週末3日間の物語を繊細な筆致で綴る。
アルツハイマーの母親と2人暮らしの孤独な青年、サイモン。高校で生物学を教える彼は、自殺を考える留学生のミナに思いとどまるよう真摯に説得する一方、プライベートでは自殺サイトで自殺志願者を見つけては、一緒に自殺するふりをして相手の血液を抜き取り、自らの哀しい欲望を満たすヴァンパイアだった。しかしある日、思いがけず集団自殺に巻き込まれた彼は、一緒に逃げ延びた女性に自分がヴァンパイアであると告白してしまう。すると女性は自殺を改めて成功させるべく、自らの血の提供を申し出るのだが…。