1963年、ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。定職のないイニスとジャックは、羊放牧の職を得て、共にひと夏を過ごすことになる。大自然の中でお互いを助け合ううちに、彼らに深い絆が生まれる。それがごく自然に男同士の関係へと変化していくのに、それほど時間はかからなかった。しかし、保守的な時代、閉鎖的な土地…厳しい社会の現実が2人の関係に影を落とし始める。
マドリードに住む移植コーディネーターのマヌエラは、作家志望の息子・エステバンを女手一つで育ててきた。エステバンの誕生日、二人は『欲望という名の電車』の舞台を観に行く。そして、マヌエラが息子に今まで話さなかった父のことを話そうと決心したとき、エステバンは舞台の主演だった大女優ウマ・ロッホにサインをもらおうとして車にはねられ、そのまま亡くなってしまう。 息子の死を行方不明となっている父に伝えるため、バルセロナへ旅立ったマヌエラは、ひょんなことから息子の死の原因となったウマの付き人になる。バルセロナでマヌエラは、ウマのレズビアンの恋人で麻薬中毒の若手女優・ニナ、性転換した明るいゲイの娼婦・アグラード、エイズを抱えて妊娠した純朴なシスター・ロサ、その母親でボケの進んだ夫に手を焼く厳格な贋作画家、そして、今では「ロラ」という名の女性となりロサにエイズをうつした、息子と同名の元夫といった様々な女性たちと出会い、やがて人生への希望を取り戻していく。
1984年、イギリス北部の炭坑町。11歳のビリーは炭坑労働者のパパと兄トニー、おばあちゃんと暮らしていた。ある日、ビリーの通うボクシング教室のホールにバレエ教室が移ってきた。ふとしたことからレッスンに飛び入りしたビリーは、バレエに特別な開放感を覚えるのだった。教室の先生であるウィルキンソン夫人もビリーに特別な才能を見出した。それからというものビリーはバレエに夢中になるのだが……。バレエ・ダンサーを目指す少年の姿を描いたS・ダルドリー監督の長編第1作。
1980年、マドリード。新進気鋭の映画監督エンリケ(フェレ・マルチネス)の元に、神学校の寄宿舎で共に少年時代を過ごしたイグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)が訪ねてくる。幼い頃の面影が全くないイグナシオにエンリケはとまどうが……。
3人のドラッグ・クイーン(女装のゲイ)がバスに乗って大都会シドニーから、オーストラリア中部、砂漠の真ん中にあるリゾート地でショウをするため3000キロにわたる旅へ……。様々な出会い、別れ、挫折を通して描く、歌あり踊りあり笑いありのロード・ムービー。
田舎の実家に戻り、小説家としての活動を続ける木島理生(竹財輝之助)。一方、就職した久住春彦(猪塚健太)は東京で忙しい毎日を送っていた。そんな中、春彦が木島の実家を訪ねる形で、二人は2年半ぶりの再会を果たす。春彦の初めての木島実家への訪問。個性的なキャラクターの木島の家族との出会いや、初めて見る実家での木島に心ときめく春彦であった。しかし、一方の木島は、心のどこかにモヤモヤをかかえており・・・。