敬虔なクリスチャンの家庭に育ったユウは、ある出来事を境に神父の父に懺悔を強要され始める。父の期待に応えようと、懺悔のために毎日罪作りに励むうちに罪作りはエスカレートし、いつしかユウは女性ばかり狙う盗撮魔となっていた。そんなある日、運命の女ヨーコと出会い、生まれて初めて恋に落ちるが……。

誕生日である7月31日に、事故に遭ってしまった大学生の葵海。だが、ふと目を覚ますと事故に遭う1週間前の教室にいた。混乱する彼女の前に幼なじみの陸が現われ、時間をさかのぼれる不思議なレコードを使って何度もタイムリープしては、事故から救っていたと告げる。二人とも抱いていた恋心を伝えられずにいたが、この出来事を機に1年前へと戻って恋人同士になって楽しい時間を過ごす。こうして再び7月27日が近づく。

天正19年。かつては織田信長に茶頭として仕え、彼亡き後は豊臣秀吉の庇護の下、茶の湯を芸術の域にまで高めて“茶聖”とまでうたわれた千利休が、秀吉によって切腹を命じられ、人生最後の日を迎えようとしていた。妻の宗恩から、自分のほかにずっと想う人がいたのではないかと問われ、利休の脳裏にかつての遠い記憶がよみがえる。それは、若き日の彼が出会った、高麗出身の美しい女性との秘められたはかない恋の思い出だった。

アメリカ人ハリーはある時、旧友からある助けを求められた。それは、日本滞在中にヤクザ組織の東野組に誘拐された旧友の娘の救出。東野組とビジネスを交わしていた旧友がトラブルを引き起こしたことがその原因であった。また、旧友はハリーがかつて進駐軍兵士として日本にいた頃、彼にある恩義ができたヤクザ幹部・田中健に協力させれば奪還できると判断した。こうして仕方なく日本へ向かったハリー。だが、再会した健は既にヤクザの世界から足を洗っていた。

将軍暗殺を企て、幕末に戦乱を起こそうとしたのは、いったい誰なのか? そして、龍馬暗殺の真犯人は!? さらに新選組史に残る「油小路の決闘」の真実 が明らかになる! 土方「隊士一同に伝えておけ。坂本に手を出すなと。 あいつを斬るのは俺の役目だ!」 龍馬「いま戦を始めたら、日本はバラバラになるぜよ。 けんど、お互い信じ合えたら、一つになれる!」

メディカル・サイテックの研究者である早崎道夫(役所広司)は、10年前に開発した血圧計が大ヒットし、次の開発に期待が寄せられている。そんな中、早崎は高野(佐藤仁美)と青木(戸田昌宏)の二人に助手と共に、人工人体の開発を続けている。だが、開発は上手くいかず、ストレスを感じる日々を過ごしていた。部長であり、友人でも村上(柄本明)からも、予算や進行状況についてうるさく聞かれていた。そんなある日、そっくりの外見を持つ分身が早崎の前に現れた・・・。

じゅおん【呪怨】つよい怨みを抱いて死んだモノの呪い。それは、死んだモノが生前に接していた場所に蓄積され、「業」となる。その呪いに触れたものは命を失い、新たなる呪いが生まれる……。妻の出産を間近に控えた小学校教師の小林は、長期欠席中の生徒・俊雄の家庭訪問に出かけた。そこで、彼は俊雄が大学時代の同窓生・伽椰子の息子であることを知り、さらに伽椰子が小林への偏執的な想いを秘めた日記と彼女の変死体を発見する。恐怖におののき逃げ出そうとする小林。だが、彼は伽椰子の夫・剛雄に妻とお腹の子を惨殺され、また自らも伽椰子の呪怨によって殺されてしまう。それから後、惨劇のあった同じ家に引っ越してきた村上家にも不幸が起こる。長女・柑菜の家庭教師・由紀と長兄の強志が行方不明になり、柑菜と母親の典子も呪怨によって惨殺されたのだ。そして数年後、しばらく空家になっていたその家に北田夫婦が引っ越してきた。家を売った不動産屋・鈴木達也の妹で霊感のある響子は、その夫婦が心配になり様子を伺いに行くが、良美を見た途端、彼女は不吉な空気を感じるのであった……。

活気溢れる江戸の街。両国橋の夏の昼日向をまっすぐ歩いてくる意志の強そうな女、お栄(声:杏)は23歳の浮世絵師。移りゆく四季と共に、父であり師匠の葛飾北斎(声:松重豊)や仲間たちと浮世絵を描いて暮らす日々。そして、今日もまた浮世の街を歩いてゆく……。

パンクバンド“ブラスト”のヴォーカリスト・大崎ナナと、恋人・章司を追いかけて東京へ向かおうとしていた小松奈々。同い年、同じ名前のふたりが出会ったのは、上りの新幹線の中だった。クールなナナとキュートな奈々、見た目や性格は違うけどすっかり意気投合したふたりは、河を望む古いマンションの一室で共同生活を始めた。数日後、ギタリストのノブとドラマーのヤスが、新曲を携え上京して来た。新メンバーにベースのシンを加え、活動を再開するブラスト。ナナは、歌に賭ける気持ちを燃やす。一方、奈々はつれない章司に不満を募らせていた。実は、章司は思い込みの激しい奈々に疲れ、同じバイト先で知り合った大学の同級生でもある幸子に心変わりしていたのだ。彼は、奈々の目の前で幸子を選ぶ。傷心の奈々に、人気バンド“TRAPNEST”のライヴ・チケットが届いた。そのギタリストであるレンが、かつてブラストのメンバーでナナの恋人だったことを知った彼女は、ナナを誘ってライヴに出かける。レンが引き抜かれバンドを脱退した時に、愛し合いながらも別れた筈のナナとレン。しかしライヴ当日、再会を果たしたふたりは愛を再燃させるのであった。それから暫くして、奈々がバイトをクビになった。落ち込む彼女に、ナナが用意してくれたプレゼント。彼女は、奈々の大ファンであるTRAPNESTのヴォーカリスト、タクミを部屋に招いてくれたのだ。――20歳を過ぎ、甘えてばかりいられない現実の中で、とびきり甘い夢を見せてくれたナナ。それは、奈々にとってとても幸福な初恋みたいな時間だった。

ロサンゼルス。私立探偵のギテスは、建設会社の経営者バーマンから妻キティの浮気調査を依頼される。だが、浮気現場を押さえたバーマンが相手の男を殺害してしまう。しかもその被害者は、バーマンの会社の共同経営者であるボディーンだった。ところが、凶器はボディーンのものだったことなどからバーマンは無罪放免に。また浮気現場で盗聴していたテープには、かつての案件で出会ったイヴリンの名とその娘のことが語られていた。そしてギテスは、単純に見えた今回の依頼の背後に巧妙な策謀が存在することを嗅ぎつけ、バーマンのもとへ行き着くのだが…。