ドラッグ中毒のマークと悪友たちは常にハイ状態か、あるいはドラッグを手に入れるため盗みに精を出しているというていたらく。ある日、マークはこのままではいけないと更生するためにロンドンに行き職に就く。ところが、彼らの仲間が会社に押し掛けたことが原因で、マークはクビになってしまう。

逆境の中にあってもたくましく生きていく女性の姿を、「イゴールの約束」のダルデンヌ兄弟が描いた作品。キャンプ場のトレーラーハウスで酒浸りの母と暮らす少女ロゼッタ。ある日、彼女は理由もなく職場をクビになってしまう。ロゼッタは厳しい社会の現実にぶつかりながらも必死で新しい仕事を探しつづけるのだが……。99年のカンヌ映画祭でパルムドールと主演女優賞を受賞。

1992年のイングランド北部ヨークシャー地方、炭坑の町グリムリーは炭坑閉鎖問題で揺れていた。結成百年の伝統を誇る名門ブラスバンド、グリムリー・コリアリー・バンドでも、メンバーそれぞれが苦境に陥っていた。バンドに全情熱を傾けるリーダー兼指揮者、ダニーは、全英選手権に出場し、ロイヤル・アルバート・ホールで演奏して優勝することを夢見てメンバーに激を飛ばすが、炭坑夫である彼らは炭鉱閉鎖の不安ゆえに気もそぞろだ。 そんな折り、グロリアが生まれ故郷のグリムリーに戻って来る。彼女はかつてのダニーの親友の孫娘で、フリューゲル・ホーン持参で練習場に現れ、いきなり難曲の「アランフェス協奏曲」をバンドと巧みに奏で一同を感心させてしまったのだが…。

愛のために炭坑夫からラグビー選手となった男。選手としては大成功を収める。が、恋愛では葛藤と苦悩を得たに過ぎず……。鬼才、リンゼイ・アンダーソン監督が人間の孤独を浮き彫りにした作品。

イギリス、ノース・ヨークシャー州のスカーバラ、シャイなローラは、優しかった父親の亡き後、ほとんど口を利かなくなり、毎日部屋にこもって父親が残したレコードを聴いて過ごしていた。口うるさい母親のマリーはそんなローラをLV(リトル・ヴォイス)と呼び、彼女を苦々しく思っていた。ある日、マリーの新しいボーイフレンドのレイ・セイが二人の家を訪れる。レイはプロモーターで、LVがジュディ・ガーランドやシャーリー・バッシーなどをそっくりに歌えることに気づき、なんとか舞台に上げて一儲けしようと計画する。