画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から、娘のエロイーズの見合いのための肖像画を頼まれる。だが、エロイーズ自身は結婚を拒んでいた。身分を隠して近づき、孤島の屋敷で密かに肖像画を完成させたマリアンヌは、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを否定される。描き直すと決めたマリアンヌに、意外にもモデルになると申し出るエロイーズ。キャンバスをはさんで見つめ合い、美しい島を共に散策し、音楽や文学について語り合ううちに、恋におちる二人。約束の5日後、肖像画はあと一筆で完成となるが、それは別れを意味していた──。

関東桜田会は、警察の組織暴力団壊滅作戦に追いつめられて解散することになったが、新宿にシマを持つ大野木一家だけは解散に反対だった。それから程なく、大野木のシマに得体の知れぬチンピラによるシマ荒しが頻繁に起こり始めた。幹部の勇治がチンピラの元締めを調べてみると、新築開店のクラブを根城とする陣野という男の仕業と判明した。怒った勇治は陣野と決着を着けようとしたが、陣野は関西連合会会長の身内だとわかり、迂闊に手を出せないと知る。関西連合は桜田会の解散を知り、大野木のシマを乗っ取ろうと企んでいたのである。そんな諍いが激化していく中、心配した元桜田会会長の藤岡が仲裁役を立て、大野木組と関西連合の手打ちが開かれた。これで騒動は一件落着かのように思えたが…。

会社員の沢村花子は毎晩、悪夢にうなされていた。街には女性ばかりを狙った殺人鬼が出没。やがて、花子の前に現れたストーカー常習者の根岸が、驚愕の真実を告げる。