原子の分裂は、核時代の到来を告げる計り知れない重要な科学的発見であるが、その一方で、人々が意図的に、あるいは偶然に放射線を浴びた多くの出来事という暗黒面もある。
鬼才・原一男監督が20年の歳月をかけて作り上げた、372分の叙事詩。今なお患者の認定とその補償をめぐって裁判闘争が続き、根本的解決に至らない水俣問題。患者や支援者、さらには末梢神経ではなく脳に病因があることを証明しようと尽力する大学教授など、多くの人たちがなおも状況を前進させるべく取り組んでいる。それぞれの人生模様と共に、それらを多角的に描き出していく。