ルネ・クレマン監督が1952年に手がけ、同年のベネチア国際映画祭で金獅子賞、アカデミー賞で名誉賞(後の外国語映画賞)などに輝いた、映画史上の不朽の名作。ナルシソ・イエペスのギター演奏による主題曲「愛のロマンス」の哀愁に満ちた旋律も広く知られる。第2次世界大戦中のフランス。ドイツ軍によるパリ侵攻から逃れる途中、爆撃により両親と愛犬を亡くした5歳の少女ポーレットは、ひとりさまよううちに11歳の農民の少年ミシェルと出会う。ミシェルから死んだものは土に埋め、お墓を作ることを教わったポーレットは、子犬を埋め、十字架を供える。これをきっかけに、お墓を作って十字架を供える遊びに夢中になった2人は、教会や霊柩車からも十字架を持ち出してしまうが……。日本では53年に初公開。2018年9月、デジタルリマスター版でリバイバル公開(パンドラ配給)。2020年8月には、人気声優による名画吹き替えプロジェクト「NEW ERA MOVIES」で新たに制作された吹き替え版(ポーレット役=戸松遥/ミシェル・ドレ役=小松未可子、ジョゼフ・ドレ役=稲田徹)で公開される(モービー・ディック配給)。
80代の男性として誕生し、そこから徐々に若返っていく運命のもとに生まれた男ベンジャミン・バトン。時間の流れを止められず、誰とも違う数奇な人生を歩まなくてはならない彼は、愛する人との出会いと別れを経験し、人生の喜びや死の悲しみを知りながら、時間を刻んでいくが……。<F・スコット・フィッツジェラルドの短編小説をデヴィッド・フィンチャーが映画化した感動巨編。第一次世界大戦時から21世紀に至るまでのニューオリンズを舞台に、80代で生まれ、徐々に若返っていく男の数奇な運命が描かれる。
ケイデン・コタードはニューヨークに住む劇作家。平凡だった彼の日常は、ある日を境に変わっていく。 額を切って病院へ行けば、原因不明の病気と診断され、家族からは、自分が演出した自信満々の舞台をけなされる。 夫婦仲も上手くいかず、遂には愛する妻と娘に捨てられてしまう。新しい恋人を作ろうとするも、優柔不断で逃げられて…。 そんな失敗続きで、人生に嫌気がさしていた彼の元に、マッカーサー・フェロー賞(別名“天才賞”)を受賞した知らせが届く。 大金と名誉を手に入れた彼は、人生をやり直そうとそのすべてを注ぎ込んだ、一世一代のプロジェクトを実行する。 それは、自分の頭の中に思い描いた理想のニューヨークを本物のニューヨークの中にもう一つ作り、誰も見たことのない舞台を上演する事だった。
性的不能から妻に去られた男が、やがて金持ちになって、妻に奇妙な復讐をするまでを描く。
19世紀初頭。イングランド南東部のサセックス州にある私園“ノーランド・パーク”を構えるダッシュウッド家の主ヘンリーを失った彼の妻と3人の娘。法律の定めるところにより私園を含め財産は先妻の息子ジョンに相続されるのを心配したヘンリーは、死の床でジョンに妻と娘の世話を頼んでいたが、ジョンの妻の反対にあいその約束は反故にされてしまう。彼女たちは悲しみにひたる間もなく、早速新しい家を探し始める。
任務中に相棒を失い心と身体に深い傷を負ったレスキュー・スイマー、ベン・ランドール(ケビン・コスナー)。現場を退き、レスキュー 隊員のエリート育成学校の教官となったベンは、訓練生のジェイク・フィッシャー(アシュトン・カッチャー)と出会う。才能に恵まれながらも何かに苛立ち、時に暴走してしまうジェイクの中に、ベンは自分と同じ心の傷―大切な者を救えなかった苦悩を見いだす。救い続けることこそ、生き残った者の《宿命》・・・ジェイクは、そんなベンの信念に心打たれ、二人は父子にも似た強い絆で結ばれていく。やがて、難関を突破し卒業したジェイクは、現場復帰を果たしたベンと共にアラスカで任務に就く。しかし、そこには想像を絶する過酷な運命が待ち受けていた・・・。
イギリスのとある街にある工場で働くハンナは、働き者ではあるが誰とも口を利かず、孤独な毎日を送っていた。彼女の過去は誰も知らない。時々どこかに電話をかけるが、相手が出ても何も話さずに切ってしまう。全く休まないハンナを見た上司は、彼女に無理にでも休暇を取るように勧め、ハンナはある港町にやって来る。しかし休暇など欲しくなかった彼女はとりたててすることもない。 そんな時に入った中華料理屋で、至急看護師が欲しいと携帯で話す男を見かけ、ハンナは自分は看護師だと告げる。ある海底油田掘削所で火事が起こり、重傷を負った男性を看護する人が必要だという。ハンナはすぐにヘリコプターで採掘所に向かう。 患者のジョゼフは重度の火傷を負っており、さらに火事のせいで一時的に目が見えなくなっていた。火事の時、ある男が火の中に飛び込んで自殺したが、ジョゼフは彼を助けようとして重傷を負ったとハンナは聞かされる。 ハンナは黙々とジョゼフを看護する。ジョゼフは時には強引に、時には冗談を交えて何とかハンナ自身のことを聞き出そうとする。そんなジョゼフや、採掘所で働く心優しいコックのサイモンに、徐々にハンナは心を開いていく。
ニューヨークのダウンタウンに住むロレッタを中心に、人の心を狂わす満月の夜に起こるイタリア人一家のさまざまな出来事をユーモアを交えて描くドラマ。この作品でシェールはオスカーに輝いた。
ある夏の日、元ドラァグクイーンのなっちゃんが急死する。翌日、なっちゃんが営んでいた店に集まったバージン(滝藤賢一)、モリリン、ズブ子のドラァグクイーン3人は、なっちゃんが自身のセクシャリティーを家族に秘密にしていたことを知る。秘密が遺族に知られないよう彼女の家へ片付けに向かうものの、なっちゃんの母・恵子(松原智恵子)と鉢合わせてしまう。彼らは何とかその場を切り抜けるも、恵子から故郷の岐阜県郡上市に来て葬儀に参列するよう頼まれる。
医学生のコートニーは、“人は死んだらどうなるのか?”という好奇心で禁断の臨死実験に挑む。心臓を止めて1分後に蘇生し、死後の世界を垣間見た彼女は突然ピアノを弾けるようになるなど不思議な能力が覚醒する。その驚くべき光景を目の当たりにした仲間たちは、徐々に臨死時間を競い合うかのように延ばしエスカレートしていくが、臨死から7分が過ぎた時、そこには想像もつかない恐ろしい代償が待っていた。