理不尽な理由から仕事を失ったアンサと、酒に溺れながらもどうにか工事現場で働いているホラッパ。ある夜、2人はカラオケバーで出会い、互いの名前も知らないまま惹かれあう。だが、不運な偶然と現実の過酷さが、彼らをささやかな幸福から遠ざける。

舞台は1980年のイギリス南岸の静かなリゾート地。本作はそこに生きる人々の絆と“映画と映画館という魔法”を力強く、感動的に描く、珠玉のヒューマン・ラブストーリー。

122年にわたって、地元の人々に親しまれてきた映画館・大黒座の閉館が決まる。ある晩、新入社員として同劇場で働く明日香は、館内で奇妙な老人と出くわす。謎の言葉を口にして、どこかへ消えてしまった彼に驚く明日香。一方、バーテンダーのアキラは大黒座で映画を観て育ち、自身も映画を撮りたいと思いながら踏み出すことができない。そして大黒座支配人は、閉館するにあたり、複雑な感情を抱いていた。そんな中、大黒座最後の日を迎えるが…。