観客の魂を揺さぶるようなスーパースターを目指していたアンディは、敏腕マネージャーのシャピロと出会ったことをきっかけに、大躍進を果たす。一躍有名になったアンディは一風変わった芸風で観客を魅了するが…。
1997年のアメリカ。世の中は文明に犯され、町には暴力が氾濫し、かつては世界の若者の憧れの地であったニューヨークは、今や巨大な監獄と化していた。そこには全米の囚人300万人が放たれ、夢も希望もない生活を送っていた。マンハッタン島の周囲は高い壁が巡らされ、全ての川には電流が流れ、常に上空をヘリコプターが旋回し、自由の女神像はリバティーアイランド・セキュリティー・コントロールと呼ばれる監視塔となっていた。
エルパソ出身のゲイのアマチュアレスラー、サウル・アルメンダリスは、「ルチャ・リブレのリベラーチェ」であるカサンドロというキャラクターを生み出した後、国際的なスターダムにのし上がった。その過程で、彼はマッチョなプロレス界だけでなく、自分自身の人生もひっくり返すことになる。