麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。

タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所では捕虜を使って国境に流れるクワイ河に橋を架ける準備が進められていた。英軍大佐はジュネーヴ協定に反するとして所長と対立し、所長は恩赦を条件にしたことで大佐はこれを承諾し建設工事が始まった。だが同時に、収容所から脱走した米海軍少佐の手引きによって連合軍による架橋爆破作戦も開始されようとしていた。

LA郊外のある日。死の床にいるTVプロデューサーと彼の家族、クイズ番組の司会者、警官などが、互いの人生に絡んでは離れていく……。ポール・トーマス・アンダーソン監督がジェレミー・ブラックマン主演で描いた傑作。

近松門左衛門の悲恋の傑作「冥途の飛脚」に登場する人形に語り部としての役割を持たせ、3つの純愛ストーリーを微妙に交わらせながら紡ぎだす北野武の意欲作。松本(西島)は社長令嬢との結婚のために捨てた恋人の佐和子(菅野)が自殺未遂したことを知る。しかし、駆けつけた彼が目にしたのは、全ての記憶をなくした彼女の姿だった…。ほかに老境にさしかかったヤクザ(三橋)と彼をひたすら待ち続ける女(松原)、事故で片目を失ったアイドル(深田)と彼女を慕い続ける青年(武重勉)の悲恋を描く。山本耀司の斬新な衣装も話題を呼んだ。

かつて馬肉屋をしていた男は刑務所から出所後、新生活を始めるために愛人とパリを離れるが上手くいかず、何もかもに嫌気がさし、施設に入っている娘に会うためパリへ向かう。やがて施設の娘との面会が叶い、彼女を外に連れ出し安宿に入るが娘への異常なまでの愛情から男はある計画を立てる……。<「カルネ」の続編で、監督・脚本は同じくギャスパー・ノエ。>

敗戦から十数年。占領軍統治下の混迷を抜け、国際社会への復帰をめざし高度経済成長を続けるもう一つの日本。しかしスラム化した首都での凶悪犯罪が激増。武装する反政府勢力により首都圏治安警察機構との武力衝突が相次いだ。治安の番人として強化服と重火器で完全武装する、“ケルベロス”というその精鋭集団は、ゲリラを徹底的に排除してゆくのだった。

ジョン・フォード監督が“OK牧場の決闘”を題材にした傑作西部劇。 メキシコからカリフォルニアへ牛を運んでいた途中、アリゾナのトゥームストンへ立ち寄るワイアット・アープとその兄弟。だが、留守をまかせていた末弟は何者かに殺され、牛も盗まれてしまった。クラントン一家がその犯人であると踏んだワイアットは、保安官となってトゥームストンに留まる事を決意する。町では賭博師ドク・ホリデイと知り合い、次第に友情を深めていく一方、ドクを追ってやって来たクレメンタインという名の美しい婦人に一目惚れするワイアット。やがて、ドクの愛人チワワが、殺された末弟のペンダントを持っていた事が発覚。それは、クラントンの息子に貰った事が判明する……。

城岩学園3年B組の中学生たちは、修学旅行の名目で孤島へ。彼らの前に現われた担任教師キタノは、新世紀教育改革法、通称“バトル・ロワイアル(BR)法”により、殺し合いをさせると生徒たちに宣言。生還できるのは最後に生き残った1人だけだった。生徒たちはそれぞれ最低限の武器と食料を与えられ、3日間のサバイバルに追いやられる。男子生徒の七原と女子の中川は謎の転校生・川田と、なんとかこの窮地を脱する方法を探る。

セシルの純潔を汚させようするメルトイユ侯爵夫人の計画と、それを実行するバルモン子爵……。18世紀のフランス革命前夜、貴族社交界を舞台に繰り広げられた快楽と退廃の人間模様を描いた、88年アメリカ作品。

都会の異なる環境を生きる2人の女性が、恋愛や結婚だけではない人生を切り拓く姿を描くシスターフッドムービーの新境地とも言える作品が誕生した。

男は馬肉屋の主人。妻は失踪し娘とふたりきり。 娘には体にいいからと馬肉をたべさせている毎日。父は娘を溺愛していた。 そんなある日、娘に初潮が訪れる。スカートの血のシミを見た父は、男に襲われたと逆上して若者を殺しにいってしまう……。<フィリップ・ナオンとブランディーヌ・ルノワール主演。タイトルの「カルネ」とは馬肉のことで、その色と安さからフランスでは軽蔑的な意味が含まれている。血と肉欲をモチーフに暴力に満ちた世界を描いた衝撃作。ギャスパー・ノエの初長編映画。続編は1998年に制作された「カノン」>

大日新聞記者の阿久津英士は、既に時効となっているあの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。 一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。 「俺の声だ―」 それは、あの未解決の大事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声だった。

互いに大事な人を殺し、運命的に出会ったふたりの女の子。意気投合し、あてのない逃避行の旅に出る。現金や銃を強奪し、男を誘惑してセックスしては殺していく“無敵のガールズ”ナディーヌとマニュの行き着く先は…。