人との交流が苦手な主人公・宮田駿は、環境を変えるべく上京し下町商店街の弁当屋にてアルバイトを始める。小説家になる夢を叶える為にアタックをかけていた出版社からの結果は芳しくない一方で、気さくで美人な弁当屋の女店主・児玉ゆり子や、バイト仲間の小坂由香、その友人たちに囲まれ、東京での新生活は順調なスタートを切ったように見えた。 しかし、そんな状況も長くは続かない。 ある日、駿は由香と共にゆり子の秘密を知ってしまう。それは、商店街全体を巻き込んだ残忍な計画であった。 行動を起こすことのできない自分達に悶々としつつも、秘密を共有する二人の距離は次第に縮まっていく。その傍で着々と進められていく商店街会長・佐伯とゆり子の計画。 若者二人は、何を感じ、何を見ていたのだろうか。一見平凡な寂れた商店街の中に潜む大人たちの闇と、現代の若者との対比を、皮肉にも冷酷に描いた作品。
郊外の住宅地、長屋のように複数の家族が隣り合って暮らしている。林家の息子実(設楽幸嗣)と勇(島津雅彦)はテレビがほしいと両親にねだるが、聞き入れてもらえない。子供たちは、要求を聞き入れてもらえるまで口を利かないというストライキをして、最終的に買ってもらうのだった。
広島にある高校。北川が受け持つ三年生のクラスで、生徒の大庭みち子が鼻血を出して倒れた。それは原爆による白血病が原因だった。このクラスでは、実に三分の一の生徒が被爆者だったのだ。あの日、ゆき子の姉は疎開作業中に被爆し、川の中で絶命した。遠藤幸夫の父親は、建物の下敷きになり炎に包まれた妻を助けることができなかった。原爆投下から七十五年は草木が生えないといわれた広島に大根の芽が出たとき、人々はその芽に希望を見いだしていた。
高校を舞台にガールズバンドの奮闘をさわやかに描いた青春人間ドラマ。出演は『ほえる犬は噛まない』『TUBE』のべ・ドゥナ、『バトル・ロワイアル』シリーズの前田亜季、『ローレライ』の香椎由宇、そしてロックバンドBase Ball Bearのベーシスト・関根史織。監督は『リアリズムの宿』の山下敦弘。ハイティーンの女の子たちの心の微妙な心の揺れや高揚を繊細に描き出す。
ある日、国鉄蒲田操車場構内で扼殺死体が発見された。被害者の身許が分らず、捜査は難航した。が、事件を担当した今西、吉村の両刑事の執念の捜査がやがて、ひとりの著名な音楽家・和賀英良を浮かび上がらせる…。
“カラスの学校”と呼ばれ、不良の巣窟となっている鈴蘭男子高校。転入生・滝谷源治(小栗旬)がOBのチンピラ・片桐拳(やべきょうすけ)の協力を得て、“G・P・S(ゲンジ・パーフェクト・制覇)”を旗揚げし、“百獣の王”の異名を取る芹沢多摩雄(山田孝之)率いる“芹沢軍団”と史上最大の抗争を巻き起こした。源治は芹沢には勝利するも、最後の敵、“リンダマン”こと林田恵(深水元基)との頂上決戦に敗れてしまう。その数ヶ月後、“殺しの軍団”と恐れられている鳳仙学園と鈴蘭との間で、かつて“血の抗争”の因縁によって固く守られていた休戦協定が破られる。鳳仙学園は、トップに君臨する鳴海大我(金子ノブアキ)を中心に、一枚岩となって鈴蘭に攻撃を仕掛けてくる。しかし源治は、リンダマンとの勝負に固執するあまり、周囲が見えなくなっていた。そのためG・P・Sは空中分解寸前に陥り、芹沢軍団は沈黙を守り続ける。そんななか、1年グループは好き放題やっているという有様で、ひとつにまとまる気配のないまま、鈴蘭は史上最大の危機を迎える。
世界情勢が緊張を帯びてきた昭和15年。ドイツ文学者の父・滋(坂東三津五郎)が、反戦を唱えたとして逮捕されてしまう。悲しみにくれる母・佳代(吉永小百合)と2人の娘(志田未来、佐藤未来)だったが、父の教え子や親類、近所の人たちに支えられ、明るく力強く生きていこうとする。
ハナとアリスは同じバレエ教室に通う中学生。あるときハナは通学途中で出会った手塚高校の宮川先輩を好きになる。翌年、ハナとアリスは一緒に手塚高校に進学。さっそくハナは宮本先輩が所属する落語研究会に入部すると、先輩の尾行を開始した。下校途中、先輩がシャッターに頭をぶつけて気絶するアクシデントを目撃。慌てて駆け寄ったハナは、先輩の意識が朦朧としていることがわかるとなんとも大胆不敵な嘘をつく。一つの嘘が更なる嘘を呼び、少女と少年の可愛らしい三角関係が、色々な人々を巻き込んだトリッキーな三角関係へと変貌を遂げる。
冷酷な暗殺者の女は、ある仕事をきっかけに引退を決意する。そして、最後の仕事に臨もうとした彼女は、毒を盛られてしまう。医師が告げた余命は24時間。彼女は、自分の殺害を命じた者をつきとめ報復するべく、東京の街を駆け回る。