1970年代のベトナム戦争末期、爆撃で故郷の村と両親を失った少女キムと、長引く戦争に対する疑問と虚無感に苛まれるアメリカ兵クリスは、エンジニアの経営するナイトクラブで出会い、急速に惹かれあう。だが、サイゴン陥落の混乱の中、非情にも2人は引き裂かれ、クリスはキムを残しベトナムを離れてしまう。戦争が終わり、キムはクリスの帰りを待ちながら彼との息子タムを育て、懸命に生きていたが、帰還したアメリカで今もベトナムの悪夢に苦しむクリスは、妻エレンと共に新たな人生を歩き始めていた。 時がたち2人が再会するとき、キムは愛するタムを前に、ある悲壮な決意を固めるのであった。

1939年のアメリカルイジアナ州ニューオーリンズで雑種のシェパード犬チャーリーとブルドッグのカーフェイスは犬用カジノを経営していた。しかし儲けの半分を分けることに嫌気のさしたカーフェイスはチャーリーとその相棒であるダックスフンドのイッチーを嵌めて犬用の刑務所に収監させてしまう。 その後チャーリーとイッチーは脱獄に成功しカジノに舞い戻るが、カーフェイスに嵌められたと気付いていないチャーリーはカーフェイスの策略により車と共に川に突き落とされ死亡する。死んだチャーリーは犬の天国に行くが、カーフェイスに対する復讐の捻により死に切れず命の時計を奪い下界に舞い戻る。

巨匠リチャード・リンクレイタ―監督が12年の構想期間を経て描く、感動のロードムービー。 妻に先立たれ、2日前に息子が戦死した父は、耐え切れない悲しみの中、故郷へ帰る旅に30年間音信普通だった戦友を誘った―。 かつて共にベトナム戦争に従軍し、痛みを分かち合った仲間たちは、30年前に起きた事件をきっかけに大きく人生が変わっていた。今はそれぞれの道を歩む旧友三人組は、仲間に起きた悲劇をきっかけに再会し、親友の息子の遺体を連れ帰る旅に出る――。戦争で刻まれた喪失感。仲間との旅は心の殻を一枚ずつ剥いでゆくー。30年前の“ある事件”によって傷ついた心の再生と、人生が再び輝き出す姿が描かれる。