自堕落な生活を変えるべくニューヨーク・シティ・マラソンへの出場を目指す女性の奮闘を描き、2019年サンダンス映画祭で観客賞を受賞したコメディドラマ。ニューヨークで暮らすブリタニーは、パーティ三昧の不健康な生活を続けていた。ある日、ふとしたことで病院を訪れた彼女は、医師から血糖値や血圧の数値の高さを指摘され、このままでは生活習慣病は免れないと告げられる。危機感から近所でジョギングを始めた彼女は、次第に走ることに充実感を覚えるようになり、ニューヨーク・シティ・マラソンへの出場を決意する。

ついに、ハイジは見つけた。共に夢を叶える仲間の、切り札にして、最後の1人を。彼の名はカケル、18歳。ハイジが4年生になる寛政大学に、この春から通う新入生だ。高校時代に天才ランナーと呼ばれた彼の走りをその目で確認したハイジは、戸惑うカケルを半ば強引に、自らが寮長を務める竹青荘に入居させる。まかない付きで3万円という破格の家賃には、陸上競技部に入部して毎朝5キロ走るという入居条件があった。ハイジの作るうまい料理のために、喜んで走り続ける8人の住人は、まだ誰もハイジの野望に気付いていなかった。ハイジの突然の箱根駅伝出場宣言に、唖然とする9人。それもそのはず、ハイジとカケル以外は全員、陸上とはかけ離れた者ばかりだ。「素人が、無理です!」強く反対したのは、なぜかカケルだけ。だが、ハイジには勝算があった。翌朝から箱根を目指す日々が始まった。寛政大学は予選会に向けて、夏の合宿訓練を開始する。