松竹ヌーヴェル・ヴァーグ出身の吉田喜重監督が、大正のアナーキスト大杉栄が三角関係のもつれから刺された事件を取り上げ、大正時代と現代(昭和40年代)のそれぞれの風俗と人物たちを、時間軸と空間軸を交錯させ前衛的な手法で描いた愛と憎しみのドラマ。出演は細川俊之、岡田茉莉子。映画のモデルとなったひとりが、名誉毀損・プライバシー侵害を理由に、映画上映禁止の訴訟を起こしたことでも知られる。ちなみにこの時の請求は棄却されている。

季節は本編より少し進んだ夏休み、直枝理樹は能美クドリャフカと恋人同士になっていた。 ある日、男子寮のリフォームで起きた水道事故により、理樹の部屋が使えなくなってしまう。そんな理樹にクドが「ルームメイトさん、今も募集中、なのです…」と申し出る。 こうして2人は夏休みの間、他の寮生に気づかれないように同棲生活を始める。

 著名な詩人ジョゼ・マリア・ド・エレディアの次女マリーは、新進気鋭の詩人ピエール・ルイスと恋に落ちるが、両親は別の男性との結婚を決めてしまう。相手はピエールの親友で貴族出身の詩人アンリ・ド・レニエ。失意のピエールはアルジェリアに旅立つと、そこで多くの女性と関係を持ち、彼女たちのみだらな姿態を写真に収めることに没頭していく。しかし、このまま終わるかに思われた2人の関係は、ほどなくして再び燃え上がってしまい…。