刑務所から脱獄し、街を逃走中の松島ナミは、地下鉄の車内にいるところを刑事の権藤に見つかり、手錠をかけられるが、ドスで相手の腕を切り落とし、血まみれの腕と手錠を自分の手首にぶら下げながら、なおも必死で街を逃げ回る。ナミは、中川ユキという若い女性に助けられ、彼女と親しくなるが、ユキは不幸な身の上の売春婦だった。その一方でナミは、彼女の正体を知る鮫島カツという悪女に捕まり、監禁される事態となる。

『ポンヌフの恋人』の鬼才レオス・カラックスが、発表当時“狂気の書”と評されたハーマン・メルヴィルの『ピエール』を映画化。森に囲まれたノルマンディの城館で母と暮らす、仮面小説家のピエール。婚約者リュシーとの結婚も間近に控えたある日、彼は自分の姉だと名乗る黒髪の女と出会う……。

女性が真の愛の喜びを知るプロセスと結末を、エロティックで衝撃的に描いた官能サスペンス。堅い絆で結ばれていたはずの男女。彼らはお互いの間にできた溝が埋めきれず……。