1950年ロンドン。家族を何よりも大切に、毎日を精一杯生きる主婦のヴェラ・ドレイクには、誰にも打ち明けたことのない秘密があった……。深い家族愛を円熟の演技で描いた珠玉の一篇。

文豪ハーディの名作を、ポランスキーが映像化したメロドラマ。19世紀末、ドーセット地方の貧農の娘テスは遠縁のダーバビル家に奉公に出される。その息子にかどわかされ私生児を孕んだ彼女だが、実家に戻って生んだ子はわずか数週間で死んでしまう。後に働きに出た農場で牧師の息子と美しい恋に落ち結婚するが、テスの過去を初夜に知った彼はそのまま外国に去っていく。流転の人生の果てに再び彼とめぐりあうテスだが、もはや新たな選択は破滅を意味した……。

有能と評価が高い首席検事補ラスティだが、美人の女性検事補キャロリンがレイプされ、惨殺された事件を担当することになるが、内心激しく動揺する。ラスティは以前、キャロリンを愛人にしていた時期があったからだ。キャロリンは検事局の他の男性たちとも関係を持っていたとはいえ、嫌な予感は的中してラスティは容疑者として逮捕されてしまう。続いて開かれる法廷で、ラスティは自分の身の潔白を証明することになる。

50歳になるカメラマンのボビーは、少年時代の友人の葬式で故郷に戻ってきた。荒れ果てた生家を訪れたボビーの心に、忘れかけていた少年時代の日々が鮮やかに蘇る……。魂を揺さぶる奇蹟の感動作。

田舎町の遊園地内で女性の死体が発見される。その女性の隣に住む前科者が容疑者としてみなされるが、彼は旧知のベックにだけ真実を話すと告げ黙秘を続ける。到着したベック、コルベリ、ラーソンらは、被害者と付き合っていた謎の男の存在を突き止めた。一方、目撃者の証言によって、あの夜、遊園地から車を盗んで逃走した若い二人組の存在が浮かび上がる。彼らが女性を殺した犯人なのか? 捜査網が狭まる中、警官によって撃たれてしまう二人組。女は死に、男の行方は不明。そしてベックは女性と恋仲だった謎の人物“カイ”の正体に気づく……。

サボイ・ホテルのレストランで、複合企業の大物が会食中、何者かに至近距離から銃撃された。陰謀説の渦巻く中、捜査を続けるベックたち。だが、新妻や部下といった怪しい関係者には全てアリバイがあり、犯行を裏づける物証も出てこない。一方、使用された拳銃に的を絞った捜査線上には何人かの人物が浮かび上がっていた。その中の一人は、大物が入院中の病院で発見される。事件の遙か以前から既に、薬害による昏睡状態で入院していたのだ。そして、その原因となった薬を販売していたのが例の複合企業だった……。