ジュールとジムは、情熱的で奔放な女性カトリーヌに恋をする。ジムへの想いを胸に秘めたままジュールと結婚した彼女だが、ジムとの再会で再び二人に愛の炎が燃え上がる。しかし、小さな食い違いでジムは彼女から離れていく。ある日出かけた河岸で、カトリーヌはジムをドライブに誘い、壊れた橋に向かってスピードを上げた。 三角関係の心理を見事に描いた本作は、ジャンヌ・モローの輝くばかりの美しさが圧倒的な魅力となった一遍。

阿良々木暦の物語は終わった。地獄のような春休みから始まり、いくつものめぐり合わせを経て、阿良々木暦の高校生活最後の一年間は終わった--かに思えた。だが卒業式を終えた翌朝、思いがけない事態が起こる。暦は、鏡の世界に迷い込んでしまっていた。これは、高校生でもない、大学生でもない、そんな時期に阿良々木暦が体験した、終わりの、続きの物語。

1999年、東南アジア某国で、PKO部隊として日本から派遣された陸自レイバー小隊が、戦闘車輌を持つゲリラ部隊と接触、本部からの発砲許可を得られないまま一方的に攻撃を受けて壊滅する。しかし一人の生存者がいた。破壊されたレイバーから脱出した彼がそこで見たのは、異教の神像が見下ろす古代遺跡であった。そして、彼は「彼岸の人」となった。 「方舟」の一件から3年後の2002年冬、かつての特車二課第2小隊の面々は、隊長の後藤と山崎を除いて新しい職場に異動し、それぞれの日々を送っていた。そんなある日、横浜ベイブリッジで爆破事件が起こり、それは自衛隊の戦闘機F-16Jらしき物体から放たれた一発のミサイルによるものであることがテレビによって報道される。そして、これがすべての始まりであった。

すべてが朱に染まる夕暮れ、篠原重工の天才プログラマー・帆場暎一が、バビロンプロジェクトの要となるレイバー用海上プラットホーム「方舟」から投身自殺する。その口元に嘲りの笑みを浮かべながら…。これが、すべての始まりであった。 時期を同じくして、レイバーが突如暴走する事件が多発。遂には自衛隊の試作レイバーまでが無人で暴走事件を起こす。 特車二課第1小隊は、近々正式配備される新型パトレイバー(通称「零式」)に関する研修中のため不在。単独で暴走事件の処理に追われる第2小隊の篠原遊馬巡査は、多発する暴走事件の異常性にいち早く気付いて独自に調査を始め、原因が暴走した機体すべてに搭載されていた篠原重工製の最新レイバー用OS「HOS」(Hyper Operating System)ではないかと推測する。また、同様の疑念を抱いていた第2小隊長・後藤喜一警部補は、「HOS」の主任開発者だった帆場の捜査を、本庁の松井刑事に依頼していた。 遊馬の調査の結果、「HOS」が意図的に引き起こす暴走が事件の原因で、暴走の引き金が強風によって建造物から発せられる低周波音であることが明らかとなるが、知らせを受けた警視庁上層部や政府は、有力企業である篠原重工との関係やHOSを認可した国の責任問題の隠蔽を重視し、旧OSに戻すこと(公式には「HOS」のバージョンアップと称される)で政治的決着を図ろうとする。 そしてすべての謎が解明された時、大規模な暴走の引き金となる強風=台風の接近と、その台風により大音量の低周波音を発する東京湾上の浮遊建造物「方舟」を解体するため、第2小隊は「方舟」に向けて緊急出動する。