1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。南営洞警察のパク所長は北分子を徹底的に排除するべく、取り調べを日ごとに激化させていた。そんな中、行き過ぎた取り調べによってソウル大学の学生が死亡してしまう。警察は隠蔽のため遺体の火葬を申請するが、違和感を抱いたチェ検事は検死解剖を命じ、拷問致死だったことが判明。さらに、政府が取り調べ担当刑事2人の逮捕だけで事件を終わらせようとしていることに気づいた新聞記者や刑務所看守らは、真実を公表するべく奔走する。また、殺された大学生の仲間たちも立ち上がり、事態は韓国全土を巻き込む民主化闘争へと展開していく。<1987年1月14日の学生運動家朴鍾哲拷問致死事件から6月民主抗争に至る大韓民国の民主化闘争を描いた韓国映画>
1999年春。鉄道の高架下で男ヨンホは全てを失ったいま、過去を振り返っていた。3日前、ヨンホは危篤状態にある初恋の相手、スニムを見舞う。数年前には行きずりのバーのホステスにスニムの面影を見る。さらに3年前、新米刑事のヨンホのもとにスニムがやって来るが、彼はそっけなく追い返してしまう。その4年前には兵役についたヨンホを訪ねたスニムだが面会許可がおりなかった。そしてその1年前、青年ヨンホはスニムとこの高架下で互いの将来を語り合っていた。
黒澤明監督の戦後最初の監督作品。京大・滝川事件とゾルゲ・スパイ事件をモチーフに、ファシズムの吹き荒れる時代にあって自らの信念に基づいて強く生きる女性の姿を謳い上げたドラマ。国民的アイドル原節子が芯の強いヒロインを好演。昭和8年。京都帝国大学の教授・八木原の教え子たちにとって教授の一人娘、幸枝は憧れの的。野毛、糸川の二人の学生も幸枝に想いを寄せていた。秀才型で日和見的な糸川に対して実直で行動派の野毛。軍国主義が強まる中、野毛が左翼運動へと身を投じる一方、糸川はひたすらに法曹の道を目指していた。やがて、幸枝は信念を持って行動する野毛に魅力を感じ始めるのだったが……。