石川県七尾市。高校1年の中見丸太は不眠症に悩んでいた。 ある日、学校の使われていない天文台で、偶然にも同じ悩みを持つクラスメイト曲伊咲と出会う。 クラスではろくに話したこともないけれど、誰にも打ち明けていなかった不眠症という秘密で繋がり、 次第に打ち解けていく。 そんな二人が天文台を勝手に使っていた事がばれてしまい、 天文台が立ち入り禁止の危機に迫られる。寂しい表情を浮かべる伊咲を見た丸太は、 安らげる場所を守るため、休部となっている天文部の復活を決意するーー。

「キラキラな恋がしたい!」大学生活に、心を踊らせる都留たまき。 しかし、《空》に恋した彼女の生活は一変!? 《空》で見つけた大切なものとは…? 高校時代、バレーボール一筋で頑張ってきた都留たまき。サークル活動や恋愛などで充実した、“普通の大学生活”に憧れ長崎から上京するも、入学早々とある事故でグライダーを傷つけてしまう。その弁償のために“体育会航空部”の雑用係をすることに。思い描いていた大学生活とはかけ離れた環境に不満を抱いていたが…、主将である倉持の操縦するグライダーで初めて《空》へ飛び立った瞬間から、一面に広がるその美しさに魅了されていく。 「もっとたくさん飛びたい!」とだんだん《空》の世界に夢中になっていくたまき。 彼女の天真爛漫な性格は周りを明るく照らし、 気づけば、共に練習に励む先輩の空知や同期との間にも固い絆が生まれていくのであった。 そこには、確かに彼女の求める“充実した大学生活”が存在していた。 ところが、他校との合同合宿で仲たがいしていた姉・ちづると再会する。 時を経ても冷たい態度の姉に《空》の世界にいることを否定され、下を向いてしまうたまき。 更に、初めての大舞台・新人戦では強力なライバルも現れ、 周囲からのプレッシャーに動揺を隠せない。 「自分らしく飛んで来い」 倉持の言葉で上を向くことができたたまきは、 様々な人の想いを乗せて、大空での戦いに挑む。 果たして、《空》に恋した彼女は“幸せになれる風(ブルーサーマル)”を捕まえることはできるのか―。