瀬戸内海に浮かぶ小さな孤島に四人家族が住んでいた。千太とトヨとその息子たち、太郎と次郎だ。島には水がないので、畑を耕すためにも、毎日船で大きな島へ水を汲みに行かなければならない。子供たちは隣島の学校に通っているので、彼らを船で送り迎えするのも千太とトヨの仕事だ。会話もなく、変化のない日常が続いていた。しかしある日、太郎が高熱を出してしまう。千太は医者を探すのだが…。
シェイクスピアの『マクベス』を日本の戦国時代に置き換え様式美に拘り描いた戦国武将の一大悲劇。鷲津武時は謀反を起こした敵を討ち、その帰途の森で出会った老婆から不思議な予言を聞く。やがて予言通り事が運び始めると、欲望に取り憑かれた妻にそそのかされて主を殺し、自ら城主の地位につくのだったが……。
日本・トルコ合作映画。壮大なスケールで贈る真実の物語。二つのエピソードで構成。1890年、和歌山県串本町沖、トルコの親善使節団を乗せた軍艦エルトゥールル号が座礁して大破、海に投げ出された乗組員500名以上が暴風雨で命を落とす。そうした過酷な状況下で、地元住民が懸命の救援活動に乗り出す。それから時を経たイラン・イラク戦争中の1985年、日本政府は危機的状況を理由にイラン在留邦人の救出を断念。テヘランに残された邦人は300名以上。そんな中、トルコ政府は彼らのためにある行動を取る。国境を越えた真の友情を描く感動作。第39回日本アカデミー賞において、優秀作品賞と優秀監督賞をはじめとする10部門で優秀賞を受賞。美術と録音部門は最優秀賞を獲得。
凶悪犯の張り込みの最中に親友で同僚の堀部の好意に甘え、数カ月前に幼い子供を亡くし失意のまま体調を崩していた妻・美幸を病院に見舞った西は、そこで妻が不治の病で助からないことを聞かされる。ショックを受ける西。だがそんな彼に、更に堀部が犯人の凶弾に倒れたとの連絡が入った。その後、犯人は別の場所で発見されるも、逮捕へのあせりから西は失態を演じ、後輩の田中が命を落としてしまう。罪悪感にさいなまれ、職を辞す西。彼は、下半身不随となり車椅子の生活を送る堀部に画材道具を贈る為、また田中の妻や余命幾ばくもない美幸との生活資金を工面する為、ヤクザから借金を重ねるようになる。しかし、その返済に首が回らなくなり、思い余って銀行強盗を決行。盗んだ金を堀部や田中の妻に送り、ヤクザに借金を返済すると、残った金を持って美幸と共に旅に出るのだった。だが、そんな西をヤクザたちは利子が足りないと言って執拗に追いかけてきた。妻との残り少ない時間を誰にも邪魔されたくない。西は、追ってきたヤクザたちを次々に殺害していく。やがて、後輩の刑事の中村が西の身を案じて駆けつけてきた。しかし、西は彼にもう少し時間をくれと頼む。静かな砂浜、妻をそっと抱き寄せた西は、自ら自分たちの人生に幕を引く。
主人公は、貧しさゆえに置屋に売られたひとりの少女。辛く厳しい日々の中で、全ての希望を見失ったとき、立派な身なりをした“会長"と呼ばれる、ひとりの紳士との運命の出会いが訪れる。「もう一度、あの人に会いたい…」儚い願いを胸に、少女は美しく変貌を遂げ、ミステリアスな輝きを放つ瞳と天性の聡明さによって、やがて花街一の芸者“さゆり"となる。そして、ついに芸者として会長と再会することになるが、その先には過酷な運命と激動の時代が待ちうけていた…。
探偵がよく行くショーパブの従業員で、友達でもあるオカマのマサコちゃんが殺害される。捜査が進まない中、「マサコちゃんは政界の闇に触れて殺された」といううわさを耳にした探偵のもとに、彼を尾行してきた女から事件究明の依頼が舞い込む。
ゴジラシリーズ第4作。嵐によってインファント島から巨大な卵が日本に漂着した。成虫モスラと小美人は、卵の所有権を主張する興行師に返還を願うが聞き入れられない。小美人たちが帰途に着いたころ、ゴジラが復活し名古屋を壊滅状態に陥れる。そして卵をも破壊しようとしたとき、成虫モスラが現れた。ゴジラを相手に善戦するも、ついに力尽きて倒れるモスラ。だが、卵からは双子の幼虫モスラが孵り、ゴジラに攻撃を始めたのだった……。
医師のトミーは、脳腫瘍に冒された妻イジーを救うため、新たな治療法を発見しようと必死の研究を続けていた。だが仕事に没頭するあまり、彼は残された時を2人で過ごしたいというイジーの願いに気づけずにいた。イジーはそんな彼に本心を知って欲しいと、16世紀スペインの女王イザベルの命により、不死の秘薬を求める騎士トマスの物語を綴り始める。イジーは空白の最終章を完成させて欲しいと、その物語をトミーに託す。
“関ヶ原の戦い”を経て、覇権は豊臣家から徳川家へと移った。しかし、未だ徳川家康の天下は盤石とは言えず、反乱分子の芽は決して見過ごすことの出来ない存在だった。そこで、太平の世を願う家康の側近、南光坊天海は、爺に対して反乱を企てる危険のある者を事前に抹殺するための暗殺者集団育成を密かに命じた。それを受け爺は、少女あずみをはじめ戦乱で孤児となった幼子を集めると、過酷な修行を課して最強の戦士へと鍛え上げていく。それから10年、無事修練を終えたあずみら10人の戦士たちは、自らに課せられた尊い使命を信じ希望と闘志に燃えるのだった…。
太平洋戦争末期、硫黄島への上陸を果たしたアメリカ軍は、日本軍のしぶとくて粘り強い守りに意外な苦戦を強いられ、長期戦の様相を呈することに。そんなさなか、6人の米兵たちが島の山頂に星条旗を打ち立てる様子を撮影した1枚の写真が、銃後のアメリカ国民を熱狂させ、一躍英雄に祭り上げられた彼らは祖国に呼び戻されて、戦費調達のために全米中を旅して回る、国債キャンペーンに駆り出されることとなる。けれども6人のうち、3人は既に戦死。今なお熾烈な戦いを続ける戦友たちをあとに残して、祖国に生還したドク、アイラ、レイニーは、次第に苦悩と憂愁の色を深めていく。
昭和11年。料亭の女中定は店の主人に心惹かれ、情事を重ねるようになる。その情事が男の妻に知れてしまい、二人は駆け落ちを決行する。快楽におぼれる日々を重ねるうちに定は男を永遠に手放したくないと思うようになり、ついには男を自分だけのものにするため首を絞めて殺害し、さらには男の陰部を切り取ってしまうのだった。
地方都市で暮らす鬱屈した日々を打破しようと、逆境にもめげず突き進む女子高生の姿を描いた青春映画。 群馬県桐生市に暮らす高校3年生の梅田ココアは、学業は優秀だが家庭が貧しく、ギャンブル狂の父親と元漫才師でニートの兄のせいで将来に希望を見いだせずにいた。
両親を亡くし火葬場で出会ったヒカリ(二宮慶多)、イシ(水野哲志)、タケムラ(奥村門土)、イクコ(中島セナ)は、感情を失った自分たちの心を取り戻すため、それぞれの家を巡り始める。やがてたどり着いたゴミ捨て場で、LITTLE ZOMBIES というバンドを結成。そこで撮った映像が話題を呼び、社会現象になるほどのヒットを記録する。
武州多摩の百姓の出である土方歳三。黒船が来航し開国を要求した江戸時代末期に、彼は“武士になりたい”という思いを胸に、近藤勇、沖田総司らと京都へ向かう。彼らは徳川幕府の後ろ盾のもと、新選組を結成し、土方は討幕派勢力制圧で多大なる活躍をみせる。
恋人との結婚式を数日後に控えている神崎刑事は最近、体の一部を切り取られるという猟奇殺人事件に悩まされていた。ある日、女性の他殺体が発見される。やはり、これまでと同様の手口で殺害されており、これで犠牲者は3人にのぼった。そして結婚式当日、4人目の犠牲者が出てしまう。その被害者とは、不幸にも神崎の婚約者・美奈だった。同じ頃、彼女は自分が殺されたことも気付かずに、“怨みの門”の前に立っていた。門番“イズコ”に3つの選択を迫られた美奈は、記憶を辿って殺された真相を掴むために現世へ戻る道を選ぶ。