ある真夜中、マルホランド・ドライブで車の衝突事故が発生。ただ独り助かった黒髪の女は、ハリウッドの街までなんとか辿り着き、留守宅へ忍び込む。すると、そこは有名女優ルースの家だった。そして、直後にやってきたルースの姪ベティに見つかってしまう。ベティは、とっさにリタと名乗ったこの女を叔母の友人と思い込むが、すぐに見知らぬ他人であることを知った。何も思い出せないと打ち明けるリタ。手掛かりは大金と謎の青い鍵が入った彼女のバッグ。ベティは同情と好奇心から、リタの記憶を取り戻す手助けを買って出るのだが…。

「もっと人生を楽しめ」2人は、そんな決まり文句を実践した。リドリー・スコット監督によるロードムービーでは、2人の友人、専業主婦として退屈な日々を送るテルマ(ジーナ・デイヴィス)と、気の強いウェイトレスのルイーズ(スーザン・サランドン)が、日常から逃れるために、1966年型のサンダーバードに乗り、山へと週末の釣り旅行に出かける。ところが、憂さ晴らししようと、途中で立ち寄ったバーで、テルマがレイプされそうになる。するとルイーズが38口径で男に発砲。何が何だか分からぬまま、2人は逃亡するはめに。全国指名手配犯となった2人は、決意を新たに、無謀な行動に。グランドキャニオンを背景にしたラストシーンで、絶対的な自由を手にした彼女たちの描写が印象的だ。

かつてのウガンダで独裁政治を行なったアミン大統領の内幕を大胆に脚色し、側近医師の目を通して描き出した社会派サスペンス。残虐な大統領をフォレスト・ウィテカー、権力に負ける医師をジェイムズ・マカヴォイが演じる。

18世紀のパリの悪臭の中で生まれたジャン・バティスト・グルヌイユは、優れた嗅覚を身につけ、それを使って世界最高の香水を作り上げる。しかし、究極の香水を求めて香りを保存しようとする彼の仕事は暗転していく。

純粋でいて残酷、あまりにも多感な二人の女子高生が夢見る幻想と現実。夢に溺れる二人は、ついには自分達の領域を侵すものを抹殺しようとする……。実際に起きた事件の映画化で、彼女たちが犯行に駆り立てられるまでを鮮明に解き明かした、ピーター・ジャクソン監督による心理ドラマ。

弁護士の夫と、その貞淑な妻。が、夫の友人が彼女の前に出現、夫の浮気に気づく……。カンヌ国際映画賞祭で、グランプリと主演男優賞を獲得した秀作。嘘と不安に満ちた現代人の姿を鋭くえぐる。

家出して以来初めて家族を夕食に招待したエイプリル。感謝祭の七面鳥を焼こうとするが、実は彼女は料理をしたことがなかった……。巧みな人物造形で描く感動作。