1960年代の保守的な家庭で、5人兄弟の4男として育ったザック。「特別な子」と呼ばれた彼は、軍で働き音楽を愛する父親と過保護気味の母親、それぞれ文武に秀でた兄2人、問題だらけの次男を観察しながら幼少期を過ごす。やがて思春期に足を踏み入れる1970年代。ザックは同性に惹かれ始めた自らのアイデンティティと、男らしくあれという父親の価値観の間でもがくようになる。

侮辱的な表現に頼る“黒人のエンタメ”から利益を得ている世間の風潮にうんざりし、不満を覚えていた小説家が、自分で奇抜な“黒人の本”を書いたことで、自身が軽蔑している偽善の核心に迫ることになる。

マイアミのナイトクラブ「バードケージ」のオーナー・アーマンドと、店の花形にしてアーマンドの長年のパートナー、アルバート。アーマンドには、20年前に運命のいたずらで授かった息子ヴァルがおり、アルバートも母親代わりとなって彼を育ててきた。ある日アーマンドは、大学に通うヴァルから同級生バーバラとの婚約を報告される。喜ぶアーマンドだったが、バーバラの父親は不道徳を許さない堅物の政治家というから大変。こんな生活を見られては台無しと、アーマンドたちは普通の家族を演じるべく準備にとりかかる。

スランプの作家、クビ寸前の編集者、作家志望の学生などの面々が揃った、可笑しくてちょっと切ない大人の物語。“ワンダー・ボーイ”とは人生の早いうちに大きな成功を手にした人のことなのだが……。

叔父からコイン・ランドリーの経営を任されたパキスタンの青年、オマール。経営がうまくいかず、幼なじみのジョニーの力を借りておしゃれに改装すると……。人種を超越した男同士の関係を描く。

子ども欲しさに、瀕死の兵士との間に一児をもうけた看護婦。生まれた子どもはガープと名づけられ、健やかに成長していくのだが……。彼の数奇な運命をユーモアとペーソスを交えて綴った人間ドラマ。

インディアナ州の小さな町に暮らすハワード・ブラケットは、誰からも好かれる高校教師。恋人であるエミリーとの結婚も決まっていた。かつての教え子キャメロンは俳優となり、ついに今日、アカデミー賞の栄冠に輝いたのだった。そして迎えた受賞スピーチ。町中の人々がテレビに見入っていた。しかし、彼の言葉に誰もが耳を疑った——。“ブラケット先生はゲイです”かくして、町中を揺るがす大騒動の幕明けとなるのであった。

妻の留守中に12人の子供たちの面倒を見ることになった父親の悪戦苦闘ぶりを描く、1950年製作の「一ダースなら安くなる」をリメイクしたファミリー・コメディ。