結婚を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨンは、時に閉じ込められているような感覚に陥ることがあった。「疲れているだけ、大丈夫」と夫のデヒョンにも自分にも言い聞かせる彼女だったが、ある日から、まるで他人が乗り移ったような言動をするようになる。その時の記憶はすっぽりと抜け落ちている妻に、デヒョンは傷つけるのが怖くて真実を告げられず・・・少女時代から社会人になり現在に至るまでの彼女の人生を通して、見えてくるものとは―

奄美大島で生活している16歳の界人と同級生の杏子。ある日、島の人々の相談を受けるユタ神様として生きてきた杏子の母イサが、難病で余命わずかなことがわかる。杏子を励ましながらも、神と呼ばれる者の命にも限りがあることに動揺する界人。そんな中、恋人のいる母・岬が醸し出す女の性に嫌悪感を抱いた彼は、衝動的に幼少期に別れた父のいる東京へと向かう。久々に父子一緒の時間を過ごして島に戻った界人だが、岬の行方がわからなくなったという知らせが飛び込んでくる。

家族ともうまくいかず、世の中のものすべてが無意味に思えて家を出た若者たち。自らを「T.R.(The Rejected=拒否された脱落者)」と呼ぶ彼らは、さらなる仲間を求めて夜ごと集まり、パンクロックに酔いしれる日々を過ごしていた。そんなT.R.たちを嫌悪し、街から排除しようとする住民たちとの間には深い亀裂と対立が生じ、次第に若者たちは追い詰められていく。激しいパンクロックとともに自らのアイデンティティを模索するT.R.たちは、やがてやり場のない怒りを爆発させる。 キャストには、俳優ではなく多くが実際のパンクスの若者たちを起用。2022年、製作から39年を経てデジタルニューマスター版で日本劇場初公開。