ストリッパー・夕子のヒモの芳介はある日、大金の入った財布を拾い、夕子の元を離れて旅に出る。途中でメイ子という女と知り合う。ほどなくして夕子に見つかり、これから先を相談にした結果、夕子とメイ子でレズビアンショーを始めることに…。
日活の成人映画レーベル「ロマンポルノ」の45周年を記念して日本映画界の第一線で活躍する監督たちが新作ロマンポルノを手掛ける「日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」で、「冷たい熱帯魚」「ヒミズ」の園子温監督がメガホンをとったアナーキーな1作。小説家兼アーティストとしてブレイクした京子は、極彩色の部屋に籠もり、マネージャーの典子から知らされるスケジュールを分刻みでこなす毎日を送っていた。次第に虚構と現実の境が曖昧になっていく中、京子の意外な過去が暴かれていく。主人公の京子役に「みんな!エスパーだよ!」の冨手麻妙。
かつての栄光と名声も遠い過去のものとなり、いまやすっかり落ちぶれて孤独を心の内に抱えながら、鬱屈とした日々を過ごすベテラン映画監督の古谷。久々の新作となる低予算映画の現場で、主演女優の安里がわがままをとなえて、撮影がストップ。結局、安里は主役の座を下り、映画自体も製作中止に追い込まれる事態に。そんな折、彼が講師を務める映画学校の教え子・結花と街で偶然出会った古谷は、彼女の部屋に転がり込む。
ある私立の名門女子学院の放課後、甘川歌江と殿宮アイ子の仲が、同級生の間で噂になっていた。歌江は並はずれた体格から、“火星さん”という仇名を付けられ、みんなから疎外されていた。そんな歌江をアイ子は優しく労り、いつしか二人は誰も入り込むことのできない深い関係になっていた。二人の通学する学院の校長森栖礼造は、書記の川村や英語教師のトラ子と共謀して不正行為をおこない、歌江の弱みにつけ込んで処女をむさぼろうとする偽善者だった。あるとき歌江は森栖に犯され妊娠してしまう。それを知ったアイ子は血相を変え、歌江に詰寄るのだった。二人は傷つき、醜い大人の世界を知った。やがて二人は森栖ばかりでなく川村、トラ子、そして病身の妻を虐待し、芸者遊びに興じるアイ子の父・愛四郎らへの復讐心をかりたてていった。歌江ら卒業生の主催する謝恩パーティの行なわれたその夜、学院で火災がおこり、焼け跡から黒焦げの死体が発見される。そして森栖を呪った遺書が見つかったことなどから、その遺体は歌江と断定される。森栖は責任を追求されるのを恐れ、逃げまわる。歌江の死後、川村とトラ子が奇怪な死を遂げた。一方アイ子は、泥酔しきった愛四郎の前に現われ、そんな姿を罵り、貪欲な欲望をあざ笑うのだった。赤く染まる荒涼とした埋め立て地を、夢遊病者のように歩く森栖。突然二つの影が現われた。歌江とアイ子だった。火災現場から発見された遺体は歌江ではなかった。ただ茫然とする森栖の前で、二人は一体となり見る見る内に炎に包まれていった。炎と煙りに包まれた歌江とアイ子の前で、獣のように叫び狂乱する森栖の無惨な姿があった。地獄絵さながらのその光景の中で、黒い煙が大空に充満し二つの花芯は燃えつき、ひたむきな少女の心を犠牲にしたすべての復讐が終わった。
六本木を歩いていた女高生のリカは、モジャというカメラマンにビニ本のモデルにならないかと声をかけられる。ノーパン喫茶で何百万円も稼いだというクラスメートの話を聞いたことのあるリカは、誘われるままについていった。モジャの助手の短太郎は、リカのういういしい姿にうしろめたさを感じていた。スタジオに入ったリカは、そこで、スタイリスト、モデル、助手などがセックスに狂っているのを目撃するが、気にならない風をよそおって服を脱ぎはじめた。場所を変え、ラブホテルでの撮影になったときは、ビニ本編集長もカメラマンとして参加、きわどいアングルを狙い、リカは恥毛を剃られてしまった。撮影後、カメラマンがリカを犯そうとするが、短太郎が邪魔に入った。短大郎は気落ちするリカをなぐさめようと、ジャズバーへ誘った。しかし、そこはとんでもない所だった。店内はマリファナの香りに包まれ珍妙な客ばかりが集まり、農厚なセックスに耽っている。リカは官能の誘惑に負けて、妖しく迫る男たちに体をまかせ、縛りあげられ、ジャムやマヨネーズを塗りたくられる。体中を舐められ、恐怖と快楽の極みで、悲鳴とも愉悦ともつかぬ声をあげて失神してしまう。リカは自分の部屋で目を覚ました。書きかけの日記帳から白日夢たったことを知るリカ。リカは秘部に手をやり、自慰を始めた。そこへ、弟が入って来て「アッ」と息を飲んだ。リカは弟をベッドに導くと、裸になっていった。
元劇作家で世捨て人のような暮らしをしている高介は港で不思議な女・汐里と出会う。家に泊めてほしいという彼女の願いを一度は退けるが、後日、行きつけのカフェでウェイトレスとして働く彼女と再会する。そんな2人の前に、かつての劇団仲間で高介の女だった演出家の響子が現れ、汐里に芝居に参加しないかと持ちかける。
19歳の少女ゆきは、新宿の行きつけの喫茶店で、二郎という青年と出会って意気投合。彼と恋に落ち、処女をささげたゆきだったが、スリ集団の頭目である彼と行動をともにするようになり、自らも悪に手を染めていく。
徳川八代将軍・吉宗の時代。ある日、大奥お年寄・藤尾宛へ、紋之助という役者の入ったつづらが届けられた。早速大目付・矢野伝八郎の取調べが始まり、藤尾には身の覚えがないことであるが、御用屋敷にお預け、藤尾に仕えるおこうは江戸城追放の処分となった。そして藤尾の後任には竹川が抜擢され、竹川は自分の下で働くお静に吉宗の伽を勤めさすようにした。一方、藤尾の下にいたおるいとおせちは、この度の一件で誰が藤尾を陥し入れようと計ったのか突きとめようと苦心していた。数日後、おこうが大奥の入口を警護する成島伊助から紋之助の相手をしていたのは「左の内股に大きなほくろのある女中」ということを聞き出した。その情報はおるいとおせへ早速知らせた。ある日、諸国大名より献上の美女くらべが行われ、その中で吉宗は金髪娘サリーを大そう気に入り、毎晩のように可愛いがった。ところがサリーの世話役をしていたおちせが吉宗の眼にとまってしまった。おちせには信次郎という婚約者がいたが、吉宗は許さず、半ば強引におちせを伽へと招いた。ところが吉宗がおちせの股にあるホクロを見付けると、お静にも同じところにホクロがあると言った。おちせには真相の全てが解った。藤尾の名を限っ騙ったのはお静で、竹川と矢野が仕組んだことだったのである。尚もおちせが驚いたことにサリーは老中から藤尾の一件の調査の為に大奥に送りこまれたのであった。やがて藤尾は大奥へ戻り、おちせと新次郎は目出たく所帯をもつことになったのである。
酸いも甘いも知り、そろそろ水商売から足を洗おうと考えてる大阪・北新地のクラブ・ママの前に、昔惚れて捨てられたことのある男が現れた。また欺されると感じながらも、もう一度賭けてみようとするが・・・・・・
あなたの街へ、ドアからドアへ。神出鬼没のおさわり急便。宅配便のトラックに近付いてくる車椅子の男。自らを“謎の中国人”と名乗る彼は、闇取引のダッチワイフ“南極2号”を手に入れ、大喜び。と、その山の中から、上京したばかりのマコ が…。運転手・秋良と意気投合したマコは、早速彼の部屋でシコシコ。翌日、2人は、マコの祖父が遺産として残した仏像を売り飛ばすべく古美術商へ