山本周五郎原作の『赤ひげ診療譚』を基に、巨匠・黒澤明監督が三船敏郎、加山雄三主演で映画化したヒューマニズム溢れる人情ドラマ。江戸時代の小石川養生所を舞台に、そこを訪れる庶民の人生模様と通称赤ひげと呼ばれる所長と青年医師の心の交流を描く。長崎で和蘭陀医学を学んだ青年・保本登は、医師見習いとして小石川養生所に住み込むことになる。養生所の貧乏くささとひげを生やし無骨な所長・赤ひげに好感を持てない保本は養生所の禁を犯して破門されることさえ望んでいた。しかし、赤ひげの診断と医療技術の確かさを知り、また彼を頼る貧乏な人々の姿に次第に心を動かされていくのだった……。

山崎家は崩壊寸前だった。女子高生とのエンコーの実態をドキュメンタリーに撮るつもりが、家出中の娘・美貴と関係を持ってしまった元ニュースキャスターの父・山崎。外ではいじめられっ子、家では母親に暴力を振るう息子の卓哉。そして、息子の暴力から逃れる為、SM売春でクスリ代を稼ぐ母・恵子。そんな一家に、山崎の頭をカチ割ったことが縁で秀臣という若者が住みつくようになる。

入鹿夕子は長い海外生活から数年ぶりに日本に帰って来た。郊外にあるオーロラ・コーポには入鹿一族が住んでおり、その夜から彼女はそこで暮すことになる。入鹿一族はかつて、ある村に住んでいたが、そこがダムになり湖底に沈むことになったのだ。夕子が邸に入っていくと、パーティの最中で、晶子という18歳の娘が男たちに輪姦されていた。中心になっているのは夕子の兄で画家の卓也だ。翌朝、卓也と妻の貴子は息のない晶子を車で運び、山奥に捨てると、二人は激しく貪り合うのだった。夕子が鉄格子の部屋を見つけると、そこに高級ブティック、アリスの服があった。夕子はアリスを訪ねると、オーナーの三田は、ある画家が若い娘に服を着せてパーティをやるのが好きだとの話を聞く。三田は夕子にもその画家を紹介するといい、ホテルのバーで待ち合わせた。飲み物に薬が入っていたのか、夕子の意識が薄らいでいく。卓也は夕子を認めると、三田に好みではないと去っていく。夕子が意識を戻すと、かつて恋人でルポライターの伊吹がいた。彼は、アリスで服を買ってもらって失踪する若い女の事件を追っていた。数日後、賞を受けた卓也のパーティが行なわれ、峰子という娘が消えた。夕子は何とか兄を説得しようと決意する。兄の部屋に入っていくと、そこは夕子の絵ばかりがあった。貴子によると、卓也はどんなモデルを使っても夕子になってしまうという。夕子は兄に自分を描いてもらうと、激しく体を重ねた。貴子は卓也と自分に注射を打つと、やがて二人は息を引き取った。遠くからオーロラ・コーポに向かうパトカーのサイレンが聞こえてきた……