サンフランシスコ市警の刑事スコットは、交渉人(ネゴシエーター)として数々の事件を解決してきたが、無鉄砲な行動のために署内では厄介者扱いされ、恋人とも破局寸前にまで陥っていた。そんなある日、宝石強奪犯のコーダによって相棒の刑事が殺害されてしまう。怒りに震えるスコットだったが、署長はそんな彼を新人ネゴシエーターのケヴィンの教育係に任命する。この命令を不服に思う彼だったが、後に二人でコーダを追い詰めていく。

3人組の悪党が、宝石泥棒や強盗などの犯罪を重ね、ハイタワーを始めとするポリス・アカデミー卒業生の面々は警備にあたるが、いつも裏をかかれてばかり。どうやら警察内部に、情報を洩らしている人間がいるらしい。面々は上司のハリスの相変わらずの妨害にあいながらも、全市を停電させてパニック状態に陥らせ市政転覆をたくらむ一味をつきとめる。

シリーズの主人公であるクルーゾー警部を長年演じ続けたP・セラーズの死後、別のキャラクターを立てて製作された作品。シリーズの正当な流れに属してはいるが、趣はまるで異なり、ちょっと間の抜けた刑事が快盗ピンク・パンサーを追跡するという構成になっている。セラーズの抜けた穴はあまりに大きく、それを埋める映画にはならなかった。唯一笑えるのは、保養地の温泉に、007の疲れを癒すためにロジャー・ムーアがお忍びで来ているという設定で、何と本人がゲスト出演、主役の刑事と一緒に温泉につかっているという不思議な場面が展開されている。