ハーヴェイとは純粋な心を持った人にしか姿の見えない巨大ウサギ。味気ない生活を送る家族や医師たちが、空想好きの楽天家に翻弄される姿をほのぼのと描いたハートウォーミング・コメディ。

物語の舞台は1958年のアメリカ合衆国。大学を卒業したばかりのノーヴィル・バーンズは、ニューヨークに出て職探しに励む。経験の無さからなかなか仕事が見つからなかったが、ようやくハッドサッカー社の郵便室に職を得た。一方、ハッドサッカー社の社長ウェアリング・ハッドサッカーは、何を思ったのか会議中に重役室の窓から身投げをしてしまう。取締役シドニー・J・マスバーガーはこれを好機と見て会社の買収に動き出す。会社の株価を下げるため間抜けを社長に据える必要の出たマスバーガー。そんな彼が新社長に選んだのは、青二才のノーヴィルだった。

離婚間近のウィルは幼い娘マーヤから妻とのなれそめを聞かれる。しぶしぶ応じたウィルは3人の女性について仮名で話をする代わりに、その3人のうち誰が自分の母親なのかを当てさせることにした。3人の女性は、学生時代からの恋人エミリー、クリントン選挙事務所で同僚だったエイプリル、そしてエミリーの親友でライターのサマー。複雑に絡み合うウィルの恋愛遍歴の果てにマーヤの母親は誰なのか、マーヤはウィルの話を聞けば聞くほど分からなくなっていく。

電車内で酔っ払いに絡まれていた美しい女性を救った、秋葉系ヲタク青年=電車男。彼女に恋をした彼は、お礼に貰った高級ブランド“エルメス”のペアカップのお返しにと、彼女=エルメスを食事に誘おうとするのだが、彼女いない歴23年、恋愛経験ゼロの彼にはどうしていいか分からない。そこで、ネット掲示板の住人たち=名無しさんたち(看護師のりか、ひきこもりのひろふみ、仕事に疲れたサラリーマンのひさし、倦怠期主婦のみちこ、ヲタク3人組のよしが、たむら、むとう)に助言を求める。

腕利きの離婚訴訟専門弁護士、マイルズ(ジョージ・クルーニー)は離婚して財産と自由を手にしようとするマリリン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)に勝訴する。彼女がそのまま引き下がるはずはなく……。

先鋭のハリウッドスター、イザベラ“イジー”パターソン(イモージェン・プーツ)は、ニューヨーク5番街にあるバーでインタビューを受けていた。コールガールをしていたこともあっけらかんと語る天真爛漫な彼女は、偶然に出会った演出家アーノルド(オーウェン・ウィルソン)から「君の将来のために三万ドルをプレゼントする」という奇妙な申し出をされ、人生が一変した日を振り返る……。