イングリッド・バーグマンがアカデミー主演女優賞を受賞した、ジョージ・キューカー監督のサスペンス映画の古典的名作。美術・装置賞も受賞。共演はシャルル・ボワイエ。 叔母を何者かに殺されて傷心のポーラは住み慣れたロンドンを離れ、イタリアで暮らすことに。やがて月日が流れ、結婚したポーラは、夫と共に相続した叔母の家で新婚生活を始める。ところが、ロンドンに戻ったとたん、次々と不可解なことが起こり、ポーラは精神的に追い詰められていく…。主演女優のイングリッド・バーグマンにオスカーをもたらした、サスペンス映画の古典的名作。アカデミー美術・装置賞も受賞。

2004年夏、イラク・バグダッド郊外。アメリカ軍爆発物処理班・ブラボー中隊のリーダーに、ウィリアム・ジェームズ二等軍曹が就任する。まるで死への恐怖などないかのように遂行されるジェームズの爆発物処理の様子に、仲間のサンボーン軍曹らは不安を抱くようになり……。<イラクに駐留するアメリカ軍の中でも、最大の危険を伴う爆発物処理班の兵士を描き、2009年の賞レースを席巻した戦争アクション。命知らずの兵士と仲間との確執と友情を軸に、緊張感あふれる爆発物処理の現場をリアルに映し出す。監督はキャスリン・ビグロー。レイフ・ファインズやガイ・ピアースらが脇を固める中、ジェレミー・レナーが任務に命を懸ける主人公を熱演。迫力ある戦場の描写と、兵士の勇気の裏にひそむ心理の繊細な描写に驚がくさせられる。>

オーストラリアで実際に起こった謎の女生徒失踪事件の映画化。映画は、1900年2月24日、ピクニックに出掛けた名門女子学園の生徒たちの内数名が忽然と姿を消してしまったこの事件を、独特の色彩美で、かつ神秘的な雰囲気で描いてゆく。この“美しさ”がキーワードとなり、いわゆる“ホラー”とは違った意味での“怖さ”がある作品。オーストラリア時代には「ザ・ラスト・ウェーブ」や本作のように幻想的な作品を手掛けていたP・ウィアーの秀作。

富豪未亡人邸を訪れた郵便配達人が見たものは、血だらけで横たわる女主人の横で棒を手に呆然と立ち尽くす家政婦の姿だった。そして、日食の闇の中で起きた20年前の事件の真相とは……!?

ダン・ギャラガー(マイケル・ダグラス)は、ニューヨークの弁護士。彼は妻がいない間に、魅力的な女性アレックス・フォレスト(グレン・クローズ)と関係を持ってしまう。その情事が過ちだったと思い身を引いたダンは、全ては終わったと考えていた。だがアレックスは、彼自身や彼と過ごした時間を捨て去ることはできなかった。今日も、明日も、これから先もずっと……。彼の家庭を破滅させてまでも、彼女は執拗に彼を求め続けた。

新聞の出会い系広告に関係し、男が何人も殺される事件が発生。犯人は出会い系を利用している女に違いない。犯人を誘い出すため、中年刑事フランクは、正体を隠して同じような出会い系広告を出し、連絡してきた女たちに会って身元を調べた結果、白とも黒とも言えない唯一グレーな女ヘレンを割り出す。囮捜査として彼女に接近するフランクだったが、彼女への想いが本気になればなるほど、彼女が真犯人という疑惑も深まり…。

1930年、ロサンジェルスのハイウェイ沿いにあるガソリンスタンドの安食堂。ここにひとりの流れ者がやって来る。食堂の女房の体に魅せられた男は、そこで働くことにした。やがて二人は情事を重ねるが食堂の主人はまったく気づかない。そして二人はついに、恐ろしい計画を実行に移すのだが…。

人質事件を扱うプロの交渉人テリーは、反政府ゲリラに誘拐された技師を救うべく南米へ飛ぶ。保険金の未支払いが発覚するも、技師の妻アリスに哀願されて交渉を始めるテリーだったが……。アクションやロマンスの要素も盛り込んだサスペンス作。

1959年、マサチューセッツ州レキシントンのとある小学校では創立記念日を迎えようとしていた。この小学校の生徒の一人、ルシンダの提案が評価され、みんなでタイムカプセルを埋めることになる。それぞれが思い思いに描いた『絵』をその中に閉じ込めて。50年後、それは予定通り掘り起こされた。この小学校に通う少年ケイレブは、不可解な数字で埋め尽くされた一枚の紙を持ち帰ってきた。彼の父親で宇宙物理学教授のジョンは、そこに記された数字の羅列が過去50年とこれから先に起きる未来の出来事を予言したものだと気づく。

贋作に天才的な才能を持つレイ・カッターは、仮出所までわずか9カ月を残すのみだったが、ボストンの暗黒街を牛耳るキーガンに頼み込んで、急いで出所する。息子のウィルがガンに罹り、ひと時でも一緒にいたかったからだ。息子の世話を頼んでいた父のジョセフを訪ね、ウィルとの再会を果たすがふたりの間はぎこちなかった。詐欺師としてならしたジョセフは早い出所を怪しみ、キーガンの手を借りたと聞いて激怒するが、レイの心を知っているだけに強くはいえなかった。キーガンは出所を早めた交換条件として、新たな犯罪を命じる。ボストン美術館に展示されるクロード・モネの「散歩、日傘をさす女」の贋作をつくり、本物とすり替えるという計画だった。本物の絵はキーガンをも動かす大物が欲していたのだ。与えられた時間の猶予はわずか3週間。さらに悪いことに、キーガンを監視していた覆面捜査官がレイをマークするようになった。レイは摸写をはじめる傍ら、ウィルの限られた時間を有効に使うため、ウィルを母親に会わせ、彼の初恋の相手に会いに行くように仕向けるなど、息子の願いを実現していく。ウィルは次第に心を開き、父の計画に参加することを決意する。いよいよ決行当日、レイ、ジョセフ、ウィルの3人に、レイの幼なじみカールを加えた4人は、ボストン美術館に向かう。捜査官たちを煙に巻き、彼らは驚くべき大胆さで強奪計画を実行する―。