寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)に住む中学生の少年・カイは、父親と日傘職人の祖父との3人で暮らしている。もともとは東京に住んでいたが、両親の離婚によって父と母の故郷である日無町に居を移したのだ。父や母に対する複雑な想いを口にできず、鬱屈した気持ちを抱えたまま学校生活にも後ろ向きのカイ。唯一の心の拠り所は、自ら作曲した音楽をネットにアップすることだった。 ある日、クラスメイトの国夫と遊歩に、彼らが組んでいるバンド「セイレーン」に入らないかと誘われる。しぶしぶ練習場所である人魚島に行くと、人魚の少女・ルーが3人の前に現れた。楽しそうに歌い、無邪気に踊るルー。カイは、そんなルーと日々行動を共にすることで、少しずつ自分の気持ちを口に出せるようになっていく。 しかし、古来より日無町では、人魚は災いをもたらす存在。ふとしたことから、ルーと町の住人たちとの間に大きな溝が生まれてしまう。そして訪れる町の危機。カイは心からの叫びで町を救うことができるのだろうか?
好奇心旺盛な人魚のアリエルは海の上の世界に憧れ、父親の意に反して地上へ飛び出す。王子や海の魔女との出会いや新しい冒険を通して本当の自分を見つけていく。
青年実業家のマイクは、男たちが華やかなショーを繰り広げるクラブで女性客を熱狂させる人気ナンバーワンのストリッパーという顔も持っていた。ふとしたことで知り合った青年アダムに才能を見出し、人気ダンサーへと育てあげたマイクは、対照的に堅実なアダムの姉と知り合い、自分が本当に求める人生に気づき始めるが……。
ジャーナリストの羽岡は、オーストラリアの海洋大学の佐古田教授が唱える“人間は人魚から進化した”という学説を信じていた。彼は、ある海難事故の生存者が人魚と関係があるのではと疑問を抱き、調査を開始する。