「麦の穂をゆらす風」の名匠ケン・ローチが、実在する危険地帯を題材にイラク戦争の実態を描いた社会派ドラマ。米軍によるイラク侵攻後、バグダッド空港と市内の米軍管理地域グリーンゾーンを結ぶ12キロにおよぶ道路「ルート・アイリッシュ」は、米軍の要人を狙ったテロの第一目標として世界一危険な道路となる。イギリス人の民間警備兵ファーガスは多額の報酬にひかれてイラクにやってくるが、ルート・アイリッシュで親友のフランキーが死亡。その死因について当局の発表に納得がいかずに真相究明に乗り出すが……。

イラクで恋人を失ったジャーナリストのトマス・アンダース(ルパート・フレンド)は、戦場への取材に再び赴くを決め、民族紛争に揺れるグルジアへと向かう。2008年8月8日未明、ロシアの軍事介入によって戦争が始まり、彼はロシア軍の非武装地帯への空爆を告発しようとする。しかし、世間は北京で開催中のオリンピックに目が向いており、この事態を報道しようとするメディアはなかった。

日本統治下の台湾で、日本人女性の志村雅子に恋をした台湾人青年のイェン・ザークン。しかし、彼のもとに召集令状が届き、ザークンは日本の軍医として戦地に向かう一方、雅子は日本への帰国を余儀なくされ、2人は離ればなれの運命に。1949年、上海。負傷兵は台湾へ送られるという話を耳にしたユイ・チェンは、行方不明の恋人を捜すため、約1000人の乗客とともに大型客船・太平輪号に乗り込み台湾へと向かう。