幼少期をロンドンで過ごした吉田は閉塞的な日本の空気に馴染めないまま、高校生活を送っていた。次第に学校から距離を置く吉田にとって唯一HIP HOPだけが彼の拠り所だった。海外での活躍を目指す姉・麻里との約束を胸に、アーティストとして独り立ちするべく練習や活動に没頭する。しかし初めて自分の居場所を見つけたと思った矢先、チャンスを掴みかけては裏切られ、現実の厳しさに晒され次第に自分を見失っていく。そして追い打ちをかけるように、ある悲劇が訪れる。このままでは、俺は負ける。吉田はラッパーとして、1人の人間として、現実を乗り越えるべく立ち上がる…。

1995年、デトロイト。中産階級の白人が多く住む郊外とは“8マイルロード”で分断され、貧困層が多数を占める都市中心部。ジミーはここで無職の母と幼い妹の3人でトレイラー・ハウスに暮らしていた。彼は昼間プレス工場で働き、夜はヒップホップ・クラブ“シェルター”で毎週行われるラップ・バトルでの優勝を目指し、プロで成功することを夢見ていた。だが、彼は才能がありながらその実力を発揮出来ないでいる。加えて母ステファニーとの確執に悩んでいたジミーはある日、モデルを夢見るウェイトレスのアレックスと出会い恋に落ちるのだが…。

街角でポン引き(=ハッスル)をしている男が、かつて抱いていたラッパーへの夢を再燃させる……。チンピラが人生を変えようとラスト・チャンスに賭ける姿を、ヒップホップ・ナンバー満載で綴り上げたサクセス・ドラマ。

ウィル・フリーマン。38歳、無職、独身。ノース・ロンドンに住み、亡き父がクリスマス・ソングを一発ヒットさせたおかげでお気楽な印税生活を送っていた。ある日、ウィルは12歳の少年マーカスと出会う。マーカスはシングルマザーの母親フィオナのひどい鬱病に悩んでいた。そんな矢先、フィオナが自殺を図る。フィオナはウィルの素早い対応で事なきを得るが、マーカスは母をこれ以上一人にしておけないと考え、ウィルと母のデートをセッティングする。そうこうしてるうち、次第にウィルのアパートに入り浸るようになるマーカス。生活のリズムを狂わされ困惑するウィルだったが…。