ジュールとジムは、情熱的で奔放な女性カトリーヌに恋をする。ジムへの想いを胸に秘めたままジュールと結婚した彼女だが、ジムとの再会で再び二人に愛の炎が燃え上がる。しかし、小さな食い違いでジムは彼女から離れていく。ある日出かけた河岸で、カトリーヌはジムをドライブに誘い、壊れた橋に向かってスピードを上げた。 三角関係の心理を見事に描いた本作は、ジャンヌ・モローの輝くばかりの美しさが圧倒的な魅力となった一遍。

幼なじみのフリオとテノッチは17歳の高校生。溢れるエネルギーを持て余し気味の二人が考えることといえばセックスのことばかり。ところが、肝心のガールフレンドたちは旅行に出かけてしまい、せっかくの夏を何をするでもなく過ごしていた。そんなある日、親戚の結婚式で二人は年上の女性ルイサと知り合う。彼女をドライブに誘うためダメもとで“天国の口”という在りもしないビーチの名を口にする二人。ところが、数日後、夫の浮気を知ったルイサはテノッチに一緒にドライブ旅行に行くと告げる。慌てる二人だったが、チャンスとばかりルイサを連れアテのない旅に出るのだった……。

18世紀のパリの悪臭の中で生まれたジャン・バティスト・グルヌイユは、優れた嗅覚を身につけ、それを使って世界最高の香水を作り上げる。しかし、究極の香水を求めて香りを保存しようとする彼の仕事は暗転していく。

ニューオーリンズで暮らす落ち目のDJザックは、ある男から車を預かるが、それが原因となり無実の罪で逮捕される。刑務所の同じ房にいるジャックというチンピラとは、全くウマが合わない。しかし後から収監された陽気でやかましいイタリア人、ロベルトが脱獄を提案。

妻に自殺された中年アメリカ人ポールは、パリの空きアパートの一室でジャンヌという若い女性と偶然出会う。あるきっかけで衝動的な感情に駆られたポールはジャンヌの体を求め、その後2人は何事もなかったかのように別れる。ジャンヌにはTVディレクターの恋人がいたが、アパートでの出来事が忘れられず再び部屋に戻るとそこにはポールが待っていた。2人は互いの名前も知らないまま逢瀬を重ね、セックスだけの関係を続けていく。

弁護士の夫と、その貞淑な妻。が、夫の友人が彼女の前に出現、夫の浮気に気づく……。カンヌ国際映画賞祭で、グランプリと主演男優賞を獲得した秀作。嘘と不安に満ちた現代人の姿を鋭くえぐる。

家出して以来初めて家族を夕食に招待したエイプリル。感謝祭の七面鳥を焼こうとするが、実は彼女は料理をしたことがなかった……。巧みな人物造形で描く感動作。