ブリュノは今日も朝から大忙し。自閉症の青少年を支援する団体〈正義の声〉を運営しているのだが、どんな問題を抱えていても断らないために、各所で見放された子供たちで施設はいつもいっぱいだ。〈正義の声〉で働くのは、ブリュノの友人のマリクが運営する団体〈寄港〉で教育されたドロップアウトした若者たち。黙っていればコワモテのふたりだが、「何とかする」の口癖と大きく包み込む笑顔で、社会からはじかれた子供たちを、まとめて救おうとしているのだ。その成果は現れ、最悪の問題児だったディランと、最も重症のヴァランタンの間に、絆が芽生えようとしていた。だが、無認可・赤字経営の〈正義の声〉に監査が入ることになり、閉鎖の危機に迫られる。さらに、ディランが目を離した隙にヴァランタンが失踪するという事件が起きてしまう─。
様々な想いを胸にチャンピオンを狙う男たちの闘いを活写するボクシング映画。名匠・井上梅次の大映初の監督作で、白熱するボクシングシーンの傍ら、若尾文子、野添ひとみら豪華女優陣が複雑な女心を好演し花を添える逸品。チャンピオンが引退し、次期王者の挑戦権をめぐり、有力ジムを率いる峰岸は全盛期を過ぎたランキング1位の山中を推すが、不満を抱く同門の旗は、裏社会の郷田の関わるジムに移り、打倒・山中に燃える。