ヘンリー・ヒル、1943年ブルックリン生まれ。大物ギャング、ポーリーのアジトで育った彼は、物心ついた頃からマフィアに憧れていた。やがて念願の"グッドフェローズ"の仲間となり、"強奪"専門のジミー、野心旺盛なチンピラ、トミーと共に犯罪に犯罪を重ねていく。が、麻薬に手を出したことから育ての親、ポーリーに見放され、さらにジミーたちが起こした600万ドル強奪事件を追うCIAの捜査の手もヘンリーに迫る。

フランソワ・トリュフォーの長編第一作。アントワーヌ・ドワネルはパリの下町に住む13歳の少年。学校ではいつもいたずらばかりして先生に目をつけられている。共稼ぎの両親は、夫婦仲が余りよくなく何かと口論ばかりしていた。そんなある日、遊ぶ金に困った彼は父の会社のタイプライターを盗んで質に入れようとしたが、すぐにバレてしまい、両親は彼を少年鑑別所に入れてしまう……。

「ベトナムから遠く離れて」など、主に記録映画を活動の場としヌーヴェル・ヴァーグの中でも特異な位置を占める作家C・マルケルが全編スチール・カットで撮った中編SF映画の佳作。人類が絶滅した未来からその原因となった出来事を探るため過去にタイムトラベルした男は一人の女性と知り合う。何故か見覚えのあるその女性と行動を共にするうち、彼は幼いころ飛行場で彼女を見たことを思い出す。二人はやがて全ての出来事の根源となる飛行場へとたどり着くのだが……。

9年前に列車の中で出会って惹かれ合い、再会を約束するも果たせなかった米国人ジェシーとフランス人のセリーヌ。9年後、ついにパリで再会した二人に残された時間は85分。リアルタイムで進行する恋の結末が気になるロマンス作。

アイオワ州マディソン群の片田舎。農場主の妻フランチェスカは、夫と二人の子供に囲まれ平凡な主婦として穏やかな毎日を送っていた。そんなある日、一人で家の留守をしていた彼女の所へある男が道を尋ねてくる。男の名はロバート・キンケイド。旅のカメラマンで、この近くの屋根のある橋ローズマン・ブリッジを撮影に来たが道に迷ったという。橋までの道案内に車に同乗したフランチェスカ。それは二人にとって、永遠に心に残る4日間の始まりであった……。

1944年、アメリカ。12歳のジョニーは兄のジャックと共に両親の畑仕事を手伝っていた。しかし、一家の貧しい生活は一向に楽にならず、父は酒に溺れる日々だった。そんなジョニーの心のなぐさめとなったのは、兄ジャックの優しさと、ラジオから流れてくるゴスペルやカントリー音楽だった。ある時、最愛の兄が突然の事故でこの世を去ってしまう。出来のいい息子を失ったショックでますます荒れる父親とジョニーとの確執は広がっていく。そして、空軍に入隊したジョニーは実家を離れ、ドイツに駐屯する。除隊後に初恋の女性ヴィヴィアンと結婚、子供も授かった。訪問セールスの仕事の合間に友人とゴスペル・バンドを組んで音楽を楽しむジョニーだったが、家計は苦しく、徐々に夫婦の仲も冷え切っていく。 そんなある日、ジョニーは街角で偶然見かけたレコード会社で、オーディションの機会を得る。そこで空軍時代に書いた囚人の心の叫びとも言える歌を熱唱し、その実力を認められる。そして瞬く間にプロのミュージシャンとしての第一歩を踏み出すことになった。早速、同じレコード会社のジェリー・リー・ルイスやエルヴィス・プレスリーらと全米中をツアーでまわっていた時、ジョニーは少年時代からの憧れだったジューン・カーターと出会い、すぐに意気投合する。この出会いが、これからの彼らの長い運命の始まりとなるのだった……。

1920年代、大恐慌前のニューヨーク。人気ショーガールのローレライとドロシーは、正反対の性格だが親友同士だった。お金持ちとの結婚を夢見るローレライは、富豪の御曹司ガスと結婚式を挙げるため、豪華客船でパリへ向かうことに。しかしガスの父親が2人の結婚に猛反対し、ガスは船に乗れなくなってしまう。しっかり者のドロシーをお目付け役に、船に乗り込むローレライだったが…。

恋人の命を救うためベルリンの街を疾走する女性の運命を、画面分割やアニメーションなど様々な手法を取り入れながらスピード感たっぷりに描いたドイツ映画。夏のベルリン。午前11時40分、ローラのもとに裏金の運び屋をする恋人マニから助けを求める電話が入る。ボスから預かった10万マルクを失くしてしまい、正午までに金を返さないと殺されるのだという。タイムリミットは20分。愛するマニを救うため、金を工面すべく街中を駆け巡るローラだったが……。わずかな行動の違いで変わるローラとマニの運命を、3通りの結末で描き出す。

貧しい大学生ミシェルは、ふとしたきっかけで、自分にスリの才能があることを発見する。一度は刑事に捕まったものの、証拠不十分で釈放されるや、再び他人の財布を狙い出す。やがてその手口は、仲間を引き込んだ組織的なものになっていった……。「抵抗」では“脱獄”をリアルにスリリングに描いたR・ブレッソンが、今度はその焦点を“スリ”に当てた作品で、実際の手口を紹介しながら、人間不信の孤独な青年の姿を描く。素人ばかりの出演者から生まれるリアリティと、様々なスリの描写によって生み出されるサスペンスが混然となった迫真の傑作だ。

大ヒットとなった同名のミステリー小説の映画化。田舎で平凡な暮らしを送るハンクは、雪に覆われた森の中に墜落した自家用飛行機の中から現金440万ドルを発見する。この大金が自分達の未来を変えると信じた彼は、妻のサラ、どん底の暮らしを送る兄のジェイコブらと共に、現金を自分達の物にするための“シンプルな”計画を実行に移すが……。欲望が巻き起こす悲劇のクライマックスには、小説版とは異なるアレンジが加えられている。

カリフォルニア州の砂漠地帯にある刑務所から受刑者が脱獄する。受刑者の名はアルバート・ギャンズ、強盗殺人の前科がある危険な男だ。ギャンズは共犯者ビリー・ベアと共にサンフランシスコに逃亡する。 次の日、サンフランシスコ市警察本部のジャック・ケイツ部長刑事は、同僚の刑事2人と共に非行少年が潜伏しているホテルに踏み込む。ところが、そこにいたのは非行少年ではなく、ギャンズたちであった。激しい銃撃戦となり、刑事2人は射殺されてしまう。 ケイツは、ギャンズのかつての仲間であり現在は服役中のレジー・ハモンドというチンピラから手掛かりを引き出そうとする。「ギャンズを捕まえるために自分を刑務所から出して協力させろ」と要求するハモンドに対して、48時間の期限付き仮出所を取り付けたケイツ。ハモンドは仮出所できた解放感からか、女を口説くなど軽薄な行動をするが、その度にケイツを苛立たせる。

銀行で貸し付けを担当しているバツイチ男カール・アレン。離婚して以来、私生活では友人の誘いをいつも断り、仕事ではローンの申請書に却下のスタンプを日々押し続けている味気ない人生を送っていた。ある日、親友の婚約パーティまでもすっぽかしてしまったことで友人から生き方を変えない限り、お前はひとりぼっちになると脅されとあるセミナーへ参加することになり主宰者から、意味のある人生を送るための唯一のルールは如何なることでも全て「イエス」と言うだけと説かれ「イエス」を連発していくと次第に物事が好転し始めるのだった。