イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレによる、映画史に残る至高の名作。イタリアのシチリアを舞台に、少年と映写技師が映画を通して心を通わせていく様を、感動的な音楽と繊細な人物描写で描き出す。映画監督のサルヴァトーレ(ジャック・ペラン)は、映写技師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)という老人が死んだという知らせを受け、故郷のシチリアに帰郷する。
南部で発生した殺人事件の容疑者として、駅で列車を待っていた黒人青年ヴァージルの身柄が拘束された。しかし警察の取り調べによって、ヴァージルは殺人課の刑事であることが判明する。警察署長のビルは、ヴァージルに反感を覚えながらも、協力して捜査を進めていくが……。
若い黒人女性が養母の死をきっかけに、実の母探しを始める。が、彼女の本当の母親は白人だということが分かり……。『ネイキッド』のマイク・リー監督が贈るヒューマン・ドラマの佳作。
第二次大戦のアフリカ戦線で活躍したアメリカの将軍、ジョージ・パットンを描いた伝記的戦争ドラマ。優れた戦略家であるとともに、数々の奇行の持ち主とされたパットン将軍を、G・C・スコットが好演。ロンメル率いるドイツ軍との戦いが見どころ。
舞台はイリノイ州シカゴ郊外。ある朝ベッドでテレビの討論番組を見ていたジョンQ(デンゼル・ワシントン)は表でがちゃがちゃと何かの機械が動く音に気付き、血相を変えて飛び出すとローンの不払いで妻デニーズ(キンバリー・エリース)の車が差し押さえられ回収されようとしているところだった。ジョンは妻が仕事に行けなくなる、と訴えるが差し押さえ人はそれならローンを払え、と冷たく言い放ち、妻の車は無情にも回収された。ジョンはつい最近会社のリストラの対象となり、フルタイム(正社員)からパートタイム(バイト)に格下げされ、給料が目減りして生活が苦しかったのだ。朝食の席でも眉間にしわを寄せて新聞の求人広告欄をにらみ新しい収入源を見つけようと必死になった。パートタイムに格下げされたため仕事は半日で終わり、工場勤務のため不慣れなネクタイを締めて副業を手に入れようと面接を受けるが「資格過剰」を理由に落とされ続けた。
フランス領インドシナで広大なゴム園を経営する美貌の仏女性エリアーヌ。養女カミーユが、そうとは知らずにエリアーヌの元恋人である将校と恋に落ちて……。皮肉な三角関係を綴ったカトリーヌ・ドヌーヴ主演作。
病的に潔癖症の詐欺師ロイとその相棒のフランクは、騙しのアーティストとして仕事に取り組む毎日。仕事に没頭するときロイはなぜか潔癖症を忘れ、本来の自分を取り戻し、その成果は上々だ。やがてロイとフランクは大金をせしめる大計画を始動した。カモは傲慢でウスノロな金持ち。コトをうまく運ぶにはもう一人の協力が必要だった。ひょんなことから再開したロイの娘アンジェラが二人の計画に協力することになる。しかし、運命の女神は甘くない。「完璧なシナリオ」の本領はここから加速度的に発揮されていく・・・!
イラクから帰還した息子・マイクの不可解な失踪。我が子を思う一心からその謎を追ったハンクは、目を覆いたくなる真実に次々と直面する。アメリカの格差社会、人が人でなくなる過酷な戦地イラク、そして帰還兵をさいなむPTSD…。『ミリオンダラー・ベイビー』『クラッシュ』『硫黄島からの手紙』などを手がけたポール・ハギスが、実話をもとに描きつくした現代アメリカの「病理」。
イギリス、ノース・ヨークシャー州のスカーバラ、シャイなローラは、優しかった父親の亡き後、ほとんど口を利かなくなり、毎日部屋にこもって父親が残したレコードを聴いて過ごしていた。口うるさい母親のマリーはそんなローラをLV(リトル・ヴォイス)と呼び、彼女を苦々しく思っていた。ある日、マリーの新しいボーイフレンドのレイ・セイが二人の家を訪れる。レイはプロモーターで、LVがジュディ・ガーランドやシャーリー・バッシーなどをそっくりに歌えることに気づき、なんとか舞台に上げて一儲けしようと計画する。
ニューヨーク。現在17歳のダフネは、自由で愛を尊重する母リビーと2人暮らし。彼女は今まで明るく幸せな生活を送ってきたが、ただ1つ満たされない気持ちをずっと抱えている。それは、まだダフネが生まれる前に母と別れてしまった実の父親に会いたい、という切実な想いだった。彼の家族が上流階級に属しているせいで離ればなれになった父は今、ロンドンにいる。ある時、ダフネはとうとう意を決し、父のもとへ旅立った。そして、今では爵位を持ち、政治家として活躍する父ヘンリーと念願の対面を果たすダフネだったが…。
テキサス州。ロイは幼なじみのルーカスと、あるカルト教団の施設に押し入り、自分の8歳の息子アルトンの身柄を奪うと車に乗せて、州外に逃亡。アルトンの目には人間離れしたある能力があり、そのために目はゴーグルで隠されていた。NSA(米国家安全保障局)のセビエやFBIのミラー捜査官がロイたちの捜索を開始し、アルトンの確保が国家的重要事項に発展する一方、ロイはアルトンが語る言葉からある座標が示す地点を目指す。
監察ににらまれる中、陰謀に巻き込まれて崖っぷちの汚職刑事。だが、事件の鍵を握る少女と出会い、その反抗的な態度に手を焼きつつも2人で真相を追い始める。
弁護士のピーター・サンダーソンは、秩序を重んじるおカタイ性格で仕事中毒な男。妻と2人の子供はそんな彼に愛想を尽かして家を出ていってしまった。以来、自分の落ち度に気づくことなく、2年間ずっと独り身だった彼は、いつしか寂しさを紛らわすために出会い系サイトのチャットにハマっていった。やがて彼は、そのチャットで知り合った知的美人の女性弁護士シャーリーンと初デートをすることに。だがデート当日、ピーターの前に現われたのは、写真の女性とは似ても似つかない人物。おまけにその正体は、最近巷を騒がせている女脱獄囚だった。