自分が運転する車で起こした事故が原因で、矢野志摩子の夫・和彦は性不能者となってしまっていた。それ以来、夫の強い愛はサディスティックなものに変わり、欲求不満を募らせた彼女は、結婚前の恋人・祐介を呼び出してカーセックスに励む。しかし、その最中、サイドブレーキが外れ、車が坂道を転がり落ち、祐介はそのまま死亡。志摩子だけが一命を取り留めた…。

入鹿夕子は長い海外生活から数年ぶりに日本に帰って来た。郊外にあるオーロラ・コーポには入鹿一族が住んでおり、その夜から彼女はそこで暮すことになる。入鹿一族はかつて、ある村に住んでいたが、そこがダムになり湖底に沈むことになったのだ。夕子が邸に入っていくと、パーティの最中で、晶子という18歳の娘が男たちに輪姦されていた。中心になっているのは夕子の兄で画家の卓也だ。翌朝、卓也と妻の貴子は息のない晶子を車で運び、山奥に捨てると、二人は激しく貪り合うのだった。夕子が鉄格子の部屋を見つけると、そこに高級ブティック、アリスの服があった。夕子はアリスを訪ねると、オーナーの三田は、ある画家が若い娘に服を着せてパーティをやるのが好きだとの話を聞く。三田は夕子にもその画家を紹介するといい、ホテルのバーで待ち合わせた。飲み物に薬が入っていたのか、夕子の意識が薄らいでいく。卓也は夕子を認めると、三田に好みではないと去っていく。夕子が意識を戻すと、かつて恋人でルポライターの伊吹がいた。彼は、アリスで服を買ってもらって失踪する若い女の事件を追っていた。数日後、賞を受けた卓也のパーティが行なわれ、峰子という娘が消えた。夕子は何とか兄を説得しようと決意する。兄の部屋に入っていくと、そこは夕子の絵ばかりがあった。貴子によると、卓也はどんなモデルを使っても夕子になってしまうという。夕子は兄に自分を描いてもらうと、激しく体を重ねた。貴子は卓也と自分に注射を打つと、やがて二人は息を引き取った。遠くからオーロラ・コーポに向かうパトカーのサイレンが聞こえてきた……