幼い頃に断崖から投身自殺を図った母の惨たらしい最期を幻視したバージニア。富豪の夫フランチェスコと結婚し、幸せな生活を送る彼女は、車を走らせている最中、暗いトンネル内で突然、めまいと共に再び奇妙な光景を幻視する。古い屋敷、割れた鏡、血だらけの老婆、積み上げられる煉瓦、闇に閉ざされる視界──。改装すべく訪れたフランチェスコの屋敷が忌わしいビジョンと酷似していることにバージニアは言い知れぬ不安を覚えるが…。  イタリアン・スプラッターの巨匠ルチオ・フルチ監督が、ハリウッド女優ジェニファー・オニールを主演に撮り上げた“第六感”サスペンス。細かな悪夢の断片が、戦慄のラストに向けて徐々に組み上がっていく展開は最高にスリリング。フルチの演出力の豊かさを存分に味わえる隠れた逸品だ。

ベストセラーとなった新作小説「暗闇の祈り」を携え、米人推理小説作家のピーター・ニール(A・フランシオサ)は宣伝キャンペーンでローマを訪れた。その来訪を待っていたかのように次々と起こる凄惨な連続殺人。猟奇的なその犯行手口は「暗闇の祈り」を模倣したものだった...。