物語は、広島県広島市舟入本町(現在の広島市中区舟入本町)に住む国民学校2年生の主人公・中岡元(なかおか げん “以下、ゲン”)が、当時日本と交戦していたアメリカ軍により1945年8月6日に投下された原爆で、父・大吉(だいきち)、姉・英子(えいこ)、弟・進次(しんじ)の3人を亡くしながらも、たくましく生きる姿を描く。

第2次大戦中のアフリカ戦線において、連合軍は、智将ロンメル元帥率いるドイツとの戦いに苦戦し、元帥の暗殺計画を試みるも失敗。ドイツの捕虜となった英軍将校のヤングは、あわや死の寸前、ロンメルの一言で救われ、敵ながらあっぱれと彼の立派な人柄に感心する。ところが戦後、そのロンメルの死が闇に包まれているのを不審に思ったヤングは、その死の真相を解くべく調査を開始。そこから浮かび上がったのは意外な事実だった。