既に法廷劇の代名詞となって久しい、アメリカ映画史に輝く傑作ドラマ。元々は高い評価を受けたTV作品で、その脚本・演出コンビによる映画版だが、そのいかにもTV向きの密室劇を上手くスクリーンに転化させた手腕は見事の一言。17歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の討論が始まったが、誰が見ても有罪と思えたその状況下で、ひとりの陪審員が無罪を主張した事から物語は動き始める……。

1823年11月のある晩、ウィーンの街でひとりの老人が発狂して自殺を図り、病院へ運ばれた。この老人は、かつてウィーンで最も尊敬された宮廷音楽家、アントニオ・サリエリ。数週間後、サリエリの告白を聞くために若年の神父・フォーグラーが病室を訪れた。やがて、サリエリの回想が始まった…。イタリアに生まれたサリエリは、作曲家として優れた才能を持っていた。やがて音楽の都ウィーンへ赴き、皇帝ヨーゼフ2世付きの宮廷音楽家になった。そんな順調なサリエリの人生も、天才ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに出会ったことで狂わされていく…。

ミシシッピー州の大農園の邸宅に、当主ビッグ・ダディが病院での検査を終えて帰ってくる。ビッグ・ダディはガンで余命わずかと診断されていたが、本人はそのことを知らない。莫大な遺産を狙う長男一家が父を異常なほどに歓待する一方、次男ブリックと美しい妻マギーの間には冷え切った空気が漂う。しかしビッグ・ダディは昔から、長男一家より次男夫婦の方を気に入っていた。酒に溺れ妻の愛も父の遺産も受け取ることを拒否するブリックにいら立ちを募らせたマギーは、ついにブリックの亡き親友スキッパーの名前を口にしてしまう。

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』のマーティン・ブレスト監督が、34年の名作『明日なき抱擁』をブラッド・ピット主演でリメイクしたファンタスティックラブストーリー。 N.Y.のメディア会社「パリッシュ・コミュニケーション」の社長ウィリアム(ビル)・パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)は、ある夜どこからともなく響いてくる声を聞いた。次の日、ビルは愛娘のスーザン(クレア・フォーラニ)とその恋人ドリュー(ジェイク・ウェバー)と共にヘリで仕事に向かっていた。ビルの「恋人を愛しているか?」との問いに、素っ気無い反応をする娘にビルは話す。「愛は情熱だ。その経験のない人生は意味のないものだ」と。そして、その日スーザンは仕事場近くのコーヒーショップで一人の青年と出会う。最近この街に越してきた、という青年の気さくな態度に好感をもつスーザン。その夜、家族と共に食卓を囲んでいたビルの脳裏にまた同じ声が聞こえてくる。「私に会えるよ・・・ビル」。声に導かれるまま来客を招き入れるとスーザンがコーヒーショップで出会った青年が居た。以前から体調のすぐれないビルが心の中で問いかけていた「死期が近いのか」の言葉に青年は「イエス」と答えた。彼は青年の体を借りた死神だった。人間の生活に興味をもった死神が、ビルを連れて行く前に彼に案内を頼みにきたのだ。家族への説明に困ったビルは、青年をジョー・ブラック(ブラッド・ピット)だと紹介する。出会った時と印象の違うジョーを見て初めは困惑していたスーザンだったが、次第に彼の不思議な魅力に惹かれていく。父親のいう“情熱”を確かに感じていたのだ。

これまでにもシャイクスピア作品の映画化を手掛けているケネス・ブラナーが、長年熱望してきた『ハムレット』に挑んだ歴史ドラマ。自ら監督、脚本、主演の3役をこなし、すべてのセリフをカットすることなく4時間を超える長尺で絢爛豪華に描ききる。オフィーリア役は「日蔭のふたり」のケイト・ウィンスレット。デンマーク国王が急死し、国王の弟クローディアスが即位する。しかしある晩、王子ハムレットの前に国王の亡霊が現われ、すべてはクローディアスの陰謀だと告げる。復讐を誓ったハムレットは愛するオフィーリアにさえ心を閉ざしてしまう。

アメリカ南部の小さな町に住む女性たちの身の回りで起きる結婚や出産、病気や死など、人生の瞬間を友情とともに感動的に綴る。ジュリア・ロバーツ、サリー・フィールド、ドリー・パートンら名女優が共演。

18世紀を代表する仏文学者、マルキ・ド・サド侯爵の晩年を描いたドキュメンタリー。猥褻文書の罪で監禁、ますます執筆活動にのめりこむサド侯爵と、その著書に翻弄された人々をユーモアたっぷりに描いた真実の物語。

童話作家C・S・ルイスとその妻の実話を映画化した大人のラブストーリー。